文系出身でもIT転職はできる?未経験OKの職種と成功のポイントを解説

「文系」「理系」の進路を決めるときに、「文系」のほうが就職に不利だったと後悔することはありませんか。特に花形の業種であるIT業界は理系が強いイメージがあります。しかし、ここにきてDX推進やIT業界の人材不足などを背景に状況は変わってきました。文系ならではの強み、活躍できる分野、文系のキャリアがどう活かせるのかについて解説します。
IT業界の現状と文系出身者のチャンス

IT業界は今どんな状況なのか?
2000年代のIT業界というと、通信以外にSI事業やソフトウェア開発、モバイルコンテンツや家庭用ゲーム開発などが主流でした。しかし現在では、ITは特定の業界に限らず、あらゆる業界や業種で欠かせない存在となっています。私たちの生活や仕事の中でも、ITの技術やサービスは日常的に活用されており、情報収集や業務効率化など、ビジネスのさまざまな場面で必要とされるようになっています。
IT人材の需要が急増している一方で、それに対応できるエンジニアの育成が追いついていないと言われています。少子化の影響で若年層が少ないのに加えて、実務経験が必要なリーダー層や上流工程を担う人材は氷河期世代で育っていないという現状があるからです。
特に最新技術に精通した人材が不足しており、人材獲得競争も激化しています。転職市場も活況なために、やっと獲得した人材が1年足らずで辞めてしまうといった話もよく耳にします。
文系出身者の需要が高まっている理由
そのため、もはや理系人材だけでは人手が足りずに、文系人材を含めたポテンシャル重視の採用が増え、文系人材も積極的にIT業界へ採用が進んでいます。
大学で理系の研究をしていなくても、必要なプログラミング言語やITの知識は、スクールやオンライン教材で学ぶことができる環境があります。また、働きながら実務経験を積んで、キャリアアップすることも可能です。
さらに、システム導入やDXを進める企業が増える中で、ビジネスとITの橋渡しができる人材のニーズが急速に拡大しています。エンジニア職だけでなく、営業、マーケティング、プロジェクトマネジメントといった非エンジニア職です。
これらは文系出身者が得意とする分野であるため、IT業界でも文系出身者の需要が高まっているのです。
文系出身者ならではの強みとは?

文系で身につけたスキルの中には、IT業界でも大きく役立つものがたくさんあります。ここでは、特に強みとなる4つのスキルについてご紹介します。
① コミュニケーション能力
ITの仕事は、1人で黙々と進めるというよりも、チームで進めるプロジェクトが中心です。開発を進める中では、クライアント、エンジニア、営業、他の部署など、さまざまな人とのやり取りが必要になります。「この機能をどうするか」などを決める場面では、双方が納得できる落としどころを見つけなければなりません。
そこで求められるのが、相手の話をしっかり聞いて、自分の意見もわかりやすく説明できるコミュニケーション能力です。特に文系出身の方は、クライアントとの打ち合わせや社内調整の経験がある方も多く、ビジネス側とエンジニアの調整役として活躍しやすいのが特徴です。
② 論理的思考力(ロジカルシンキング)
企画職・営業職・マーケティング職などは数字や事実を元にロジックを組み立てる力が必要です。また、システム設計やプロジェクト管理では、論理的な説明や課題解決のスキルが必要になります。
文系のゼミやディスカッションでは、自分の意見を「なぜそう思うか」という理由を添えて説明する機会が多いため、論理的に発言する力が養われる場になっています。
現在では、ロジカルシンキング能力がないと通用しない環境で、多くの文系人材が活躍しているようです。
③ 文章作成力・プレゼンテーション力
ロジカルシンキングと同様に、文系人材は、文章作成やプレゼンテーション力で力を発揮します。文系の人は、メールや企画書などの文章作成、プレゼン資料の作成、提案内容の説明などが得意な人が多いという印象があります。
IT業界では、システムの仕様書を作ったり、プロジェクトの内容をクライアントに説明したりする場面が多くあります。そうしたときに、分かりやすく、相手の立場に立った説明ができることは、大きな武器になります。
プレゼン力や文章力は、営業職やコンサルタント職、ディレクター職でも大きく役立つスキルです。
④ ビジネスの知識
IT業界といっても、必要なのはプログラミングの知識だけではありません。むしろ、マーケティングや経営、財務、法務、マネジメントなどのビジネス知識は、どんな業界でも共通して役立ちます。
マーケティングの知識があれば「どんな機能がユーザーに求められているか」を考える手助けになりますし、経営や財務の知識があれば「このサービスは収益につながるか?」といった視点で提案することも可能です。ビジネスの知識がある人は、幅広い分野で活躍できます。
文系出身者のキャリアはどう活かせる?

文系出身者としてのキャリアは、IT業界でどのように活かせるのでしょうか。文系出身者の代表的なキャリアについて具体的に説明します。
① 営業・マーケティングの経験
営業やマーケティングの経験は、IT営業やITコンサルタントという職種でとても役に立ちます。どんなに良いITサービスができても、売る力がない企業は成果をあげることができません。営業力はどんな業界においても、必要であり、営業力がある人材はIT企業でも求人はたくさんあります。
また、デジタルマーケティングの基礎を学んでおけば、IT企業のWebマーケターや広告運用担当としても活躍の場が広がります。
② 企画・広報・ライティングの経験
ユーザー目線で情報を整理・発信できる力は、IT業界でも必要とされています。特に、企業のブランディング、SNS運用、ブログ記事やプレスリリースの作成などの実績があれば、コンテンツマーケティング分野でも即戦力として評価されます。
③ 接客・カスタマーサポートの経験
接客やカスタマーサポートの経験も貴重です。接客やカスタマーサポートを経験している人は、ユーザーの困りごとを粘り強く的確に聞き出し、丁寧に対応する力があると思われます。IT業界にもユーザーの対応をする部署は多くありますし、ユーザーの声はITサービスの品質や継続利用に直結します。
また、顧客やユーザー対応だけではなく、社内の調整力なども見込まれるので、WEBディレクターなどの職種にも活用できます。
④ 教育・人事・研修の経験
教育や人事、研修の経験は、IT企業の社内教育担当や人材育成、研修設計などに活かされます。特に、社内のITリテラシー向上や、新人研修の企画・運営を担当するポジションでは、教育現場で培った説明力やファシリテーション力が強みになります。
最近では、人事や労務、採用、育成などのDX化も進み、HRテックとよばれる「人事」と「 テクノロジー」を組み合わせたサービスやプロダクトを提供する企業も増えています。教育や人事、研修の経験はHRテック企業でも特に重宝されるでしょう。
文系出身者が採用されやすい7つのIT系職種

IT系の職種は理系出身者が多いと言われていますが、一方で文系出身者が有利な職種もあります。文系出身者が比較的採用されやすい職種を7つ紹介します。
①IT営業
IT営業職は、企業に対してITサービスやソリューションを営業する仕事です。ITの知識や技術力よりも、営業職としてのスキルがもっとも重視されるため、文系出身はが多くなっています。もちろん基本的なIT知識はあったほうが相手に説得感を与えることができますが、それよりもプレゼンテーション力やコミュニケーション能力が大切です。
未経験OKの企業も多く、企業のDX化が進む中で、ITサービスを提案できる営業職の需要はますます高まっています。
💡 転職成功のポイント
- 営業実績をアピールする
- 提案資料・プレゼン資料の作成スキルを磨く
- 最新のIT業界・サービスの動向を研究する
②Webディレクター
Webディレクターとは、WebサービスやWebサイトの制作・運用における全体進行を管理する職種です。具体的には、要件の整理、スケジュール管理、デザイナーやエンジニアへの指示出しなどを行います。
技術やデザインの知識もある程度必要とされますが、実際に作業をするエンジニアやデザイナーではないため、そこまで深い知識や経験はなくても対応できます。Webディレクターは未経験OKの求人もあり、Web制作の基礎的な知識があれば、あとは調整力やコミュニケーション力に期待するポテンシャル採用も多くあります。
💡 転職成功のポイント
- HTML/CSSの基礎を学ぶ(デザインの知識がなくてもOK)
- WordPressなどのCMSの操作を習得する
- FigmaやAdobe XDを使いこなせるようにする
- Webマーケティングの基礎を学ぶ
- クラウドワークスやランサーズで、小規模案件をこなして経験を積む
③マーケター
Webマーケターとは、Webを活用して商品やサービスのマーケティングを行う職種になります。マーケティングは商品やサービスの売上に直結するため、IT業界だけではなく、さまざまな業界で需要が高い職種になっています。
Webマーケターは「データ分析寄り」と「コンテンツマーケ寄り」があります。データ分析寄りのマーケターは、データをもとに広告運用や改善提案を行うため、データ分析や論理的思考が必要で、難易度があがります。しかし、コンテンツマーケ寄りマーケターはSEO記事やSNS発信など、文章力や表現力を活かす仕事で、文系人材にもなじみやすく、未経験から挑戦しやすい傾向があります。
💡 転職成功のポイント
- マーケティングツール(Google Analytics、Tableau、BIツール)の基礎を学ぶ
- コンテンツ寄りのマーケティング職なら、SNS・SEO・広告運用の知識を学ぶ
④ITコンサルタント
ITコンサルタント(ITコンサル)は、企業の経営課題や業務課題に対して、「どのようなIT施策が企業にとって効果的か」を提案し、プロジェクトの企画・設計から実行・定着までを支援する専門性の高い仕事です。
求人の多くは「IT業界での実務経験者」や「プロジェクトマネジメント経験者」向けであり、未経験者向けの求人はほとんどありません。
そのため、未経験から目指す場合は、まずIT営業やプロジェクトマネージャー補佐などのアシスタント職などで入社して経験を積み、キャリアアップするルートが王道です。
💡 転職成功のポイント
- ロジカルシンキングと課題解決力を鍛える
- IT営業やアシスタントからキャリアアップを狙う
- マネジメントをの経験を積む
- 調整力・コミュニケーション能力が重要
⑤ プロジェクトマネージャー(PM)
プロジェクトマネジャーは、システムやサービスの開発プロジェクトを、予算・スケジュール・人員・品質などを管理しながら、プロジェクトをゴールまで導く仕事です。
かなりの経験を要するポジションのため、未経験の募集はほぼありません。目指すなら、まずは「プロジェクトアシスタント」「ITアシスタント」「PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)」のようなアシスタント職に応募しましょう。基本的にエンジニア経験者が多い職種ですが、進行管理や調整力が評価されれば、十分にキャリアアップする可能性はあります。
💡 転職成功のポイント
- プロジェクト管理ツール(JIRA、Redmine、Trelloなど)を学ぶ
- スクラムやアジャイル開発の基本を理解する
- ExcelやPowerPointを使ったレポート作成・データ整理のスキルを磨く
- ディレクターやPMアシスタントからキャリアアップを狙う
- 開発プロジェクトの進行管理やチームのマネジメントを担当
- 調整力・コミュニケーション能力が重要
⑥データアナリスト
データアナリストは、売上やアクセス数などのデータを分析して、「なぜ売上が伸びたのか」「どんなユーザーがアクセスしているのか」など、データにもとづいた提案や戦略立案を行う職種です。IT業界では、膨大なデジタルデータが収集されており、データ分析力がサービスの将来を左右するような局面も多くあり、非常に重要なポジションです。
最近は「データ活用をしたいけれど、専門人材が足りない」という背景があり、未経験OKの求人も増えています。「未経験OK」といっても、データ分析に関する基礎知識やスキルは必須なので、自習やスクールでの学習などを通じて、基本的なスキルは予め学んでおくことが重要です。
💡 転職成功のポイント
- Excelやスプレッドシートのピボットテーブル、VLOOKUP、IF関数などを学ぶ
- SQLを基礎から学ぶ(データベースの基本を押さえる)
- Pythonの基礎を学び、簡単なデータ可視化ができるようにする
⑦ UI/UXデザイナー
UI/UXデザイナーは、ユーザーが使いやすく、見た目もよいアプリやWebサイトなどを設計する職種です。UIは文字の大きさ、色、導線などの「ユーザーインターフェース」のことで、UXはユーザーが使ってみてどう感じるかという「ユーザーエクスペリエンス」のことです。
UI/UXデザイナーのようなデザイン力は、面接や資格よりも「作品」で判断されます。企業でUI/UXの仕事をしていなくても、フリーでアプリを作っていたり、ポートフォリオがあれば、その実力を評価してもらうことができます。
💡 転職成功のポイント
- FigmaやAdobe XDでポートフォリオを作成
- UI/UXの基礎(ユーザビリティ・アクセシビリティ)を学ぶ
- GitHubやポートフォリオサイトに自分のポートフォリオを公開
- デザイン実績をSNSなどに投稿する
文系出身者がIT転職を成功させるポイント

戦略的に転職活動を進めることで、IT業界は文系出身でも十分にチャンスがあります。文系出身者がIT業界への転職を成功させるためには、次のようなポイントを押さえておくことが大切です。
自分のキャリアを自信をもってアピールする
自分のこれまでのキャリアを整理して、IT業界でどう活かせるか自分がしっかり理解していることが重要です。IT業界が未経験だからと言って、弱気になることはありません。未経験であることをひけめに感じていると、面接官に伝わってしまいます。
採用側に「自分の今までのキャリアが、必ず貴社の役に立ちます」と熱意をもってアピールすることが、転職成功のポイントです。
営業職だったなら、自分の営業実績や営業から得た知見を、マーケティング職だったなら、自分がどれだけ売上をあげたか、どのような企画を実行したかをしっかりアピールしましょう。
IT転職エージェントを活用する
IT業界に特化した転職エージェントを活用するのも有効です。中には、未経験からIT業界を目指す人向けのサポートが充実している転職エージェントもあります。
自分ひとりで情報を集めるよりも、専門知識を持ったエージェントと一緒に進めることで、転職活動を効率的に行い、スムーズな転職を実現させることができるでしょう。
未経験OK+入社後の研修制度がある企業を探す
未経験のまま就職すると、入社して基礎から学びながらスキルを身につけなければいけません。なるべくなら、未経験OKの求人だけではなく、入社後のフォローアップ制度が整っている企業を探すようにしましょう。
SESは、未経験者の受け入れに慣れているため、研修制度も充実しているところが多いようです。ただし、研修内容やキャリアパスが不明確な企業もあるため、求人情報だけでなく口コミや評判もしっかりチェックするようにしましょう。
文系&未経験エンジニアの転職ならUnitas(ユニタス)
上記のように、文系出身で未経験からエンジニアへの転職を目指す際、転職エージェントの活用もおすすめです。
中でもUnitas(ユニタス)は、エンジニア特化型の人材紹介事業を展開しており、経験豊富なキャリアアドバイザーが、転職検討者をサポートしています。キャリア診断やプログラミングスクールとの連携によるリスキリング支援なども行っており、転職検討者を一気通貫でサポートすることが可能な体制となっています。
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まとめ
IT業界は文系出身者でも、IT業界で活躍できるチャンスは十分にあります。営業や企画、マーケティングなどの経験は、ITサービスの企画やプロジェクト推進、ユーザー視点の設計など、多くの職種で強みとして活かせます。
文系出身だからといって、IT業界をあきらめる必要はまったくありません。大切なのは、自分の強みやこれまでの経験をどう活かすかを考え、成長できる環境を選ぶことです。正しいステップを踏めば、未経験からでもIT業界でのキャリアは十分に築くことができますよ。