ITエンジニアの派遣単価はいくら?SESの仕組みと職種別相場をリクルートアドバイザーが徹底解説
「SESは単価80万円」「IT事務は40万円」——そんな数字をSNSや求人票で目にして「自分の給料はどのくらいになるのだろう?」と気になる人も多いでしょう。ですが、SES(システムエンジニアリングサービス)では“単価=給与”ではありません。
この記事では、エンジニア派遣(SES・準委任契約)の仕組みを、現役のUnitas(ユニタス)リクルートアドバイザーである小澤のリアルなアドバイスとともに、初心者にもわかりやすくお伝えします。
職種別の単価相場から、実際に手取りがどの程度になるのか、そして単価を上げるためのキャリア戦略までを詳しく解説していきます。
SESにおけるエンジニア単価と給与の仕組み

SES(システムエンジニアリングサービス)は、成果物ではなく「作業時間」に対して契約する“準委任契約”が一般的です。
クライアント企業に常駐して働くエンジニアの報酬は、
稼働時間 × 時間単価 = 契約単価
となり、そこから所属企業のマージン(手数料)が差し引かれて給与として支払われます。
例)単価80万円の場合
- 還元率50%(マージン50%) → 給与 40万円
- 還元率70%(マージン30%) → 給与 56万円
SES業界は多重下請け構造になりやすく、契約の中間に企業が多いほど、エンジニアに入る報酬が少なくなる傾向があります。
エンジニア単価は「スキル × 希少性 × 市場需要」で決まる

一方で、SESにおけるエンジニアの派遣単価は、「スキル × 希少性 × 市場需要」で決まります。つまり、同じ職種でも、持っているスキルのレベルや担当工程によって単価が大きく変わるのです。
時間単価の一般的なレンジ
一般的な時間単価の目安は、初級エンジニアで3,000〜4,500円、中級で4,500〜6,000円、上級になると7,000〜10,000円以上になるケースもあります。
高単価につながるエンジニアスキル
SES案件などにおいて高単価を狙えるのは、要件定義や設計など上流工程を担当できるスキルを持つエンジニアです。
また、プロジェクト管理やインフラ自動化の経験、AI・データ分析などの先端領域のスキルも高く評価されます。単価を上げるには、プログラミング技術に加え「ビジネスを理解し、成果を設計できる力」を磨くことが重要になります。
同じ単価でもエンジニアの給与が異なる理由は?

SES業界では「単価80万円」といっても、実際に手元に入る給与は会社によって大きく異なります。その差を生むのは、マージン率や契約構造、給与制度など、複数の要素が絡み合っているからです。
ここでは代表的な4つの理由を解説していきます。
【理由①】還元率(マージン)は会社ごとに異なる
SES企業がクライアントから受け取る単価のうち、どれだけをエンジニアに還元するかは企業によって異なります。
たとえば単価80万円であっても、エンジニアへの還元率が50%なら給与は40万円、70%なら56万円となります。このように還元率の違いにより、年間では200万円以上の差が生じることもあります。
【理由②】企業のポジションによって利幅が変わる
SES案件は「元請 → 一次請 → 二次請 → 三次請」といった多重構造になることが多く、間に企業が多いほどマージンが発生します。
中間に入る会社が増えるほど、実際にエンジニアに支払われる報酬も減っていく仕組みとなっています。
【理由③】給与体系(固定給/評価連動給)が異なる
SES企業には、単価に関わらず安定した給与がもらえる「固定給型」と、単価に比例して報酬が変動する「連動型(歩合制)」があります。
前者は安定性が高い一方で、単価アップが給与に反映されにくい傾向があります。こうした給与体系の違いも考慮する必要があります。
【理由④】待機やアサイン待ち期間の扱いが異なる
案件間の“待機期間”の給与処理も会社によって異なります。待機中も100%支給される企業もあれば、減額または無支給のケースもあり、手取りに大きく影響します。
安定して収入を得るには、契約内容をしっかり確認することが大切です。

エンジニア職種別の単価目安一覧

エンジニアといっても、担当する職種や領域によって単価相場は大きく異なります。ここでは、主要なエンジニア職種ごとの単価レンジと特徴を紹介します。
未経験からIT業界を目指す方は、どの職種が自分のキャリアの起点になりやすいかを把握しておくとよいでしょう。※単価は「企業・勤務地・工程・商流」によって大きく変動します。
■ IT事務(ヘルプデスク/サポート)
相場:35〜45万円
PCの初期設定やシステムの問い合わせ対応など、スキル要件が比較的低く、未経験でも挑戦しやすい職種です。一方で、単価は低めで、還元率(マージン)の影響を受けやすい点には注意が必要です。スキルアップを意識して、ITエンジニアへのステップアップを狙うという選択肢も検討すべきでしょう。
■ SES(インフラ・アプリ開発支援)
相場:60〜90万円
最も一般的なSES案件で、スキルや経験、参画先企業の規模によって単価が大きく変動します。インフラ構築やアプリ開発のサポート業務が中心ですが、SREやPMなどのポジションでは100万円を超える高単価案件も存在します。スキルの幅を広げることで、報酬の伸びしろが大きくなることも期待できます。
■ Java開発
相場:65〜85万円
企業システムやWebアプリなど、案件数が最も多く安定しているのがJava開発です。経験を積むほど上流工程を担当できるようになり、要件定義・設計・保守自動化などのスキルを伸ばすことで単価アップにつながります。安定と成長のバランスが取れた領域といえるでしょう。
■ Python開発
相場:70〜100万円
AIやデータ分析、機械学習分野などで需要が高く、他言語よりも高単価の案件が多いのが特徴です。ただし、トレンド領域である分、実務経験や成果物を重視される傾向があります。AI開発・データ基盤設計などの経験を積むと報酬が一気に伸びる可能性があります。
■ クラウド(AWS/GCP)
相場:80〜120万円
今最も単価が上がりやすいのがクラウド領域です。インフラ自動化や設計スキルを持つエンジニアは特に高く評価されます。AWS認定資格(SAAなど)を取得することで参画できる案件の幅が広がり、100万円超の高単価を狙うことも可能です。
初心者・未経験からSES単価をあげる4つの方法

未経験エンジニアのSES単価は、一般的に40〜55万円前後がスタートラインといわれています。ただし、SESの現場は「自己学習+実務経験」で成長スピードが速く、1〜2年で中級単価(60〜80万円台)に到達する人も少なくありません。
① 稼働率を上げる(案件を途切れさせない)
SESで収入を安定・向上させるうえで大切なのが、「案件の空白期間をつくらない」こと。稼働率が高く、現場での評価が良いエンジニアは、次の案件でも優先的に紹介されやすくなります。
結果として、単価の維持・上昇がしやすくなり、年間収入も安定します。現場では納期遵守・報連相・柔軟な対応力といった基本動作が信頼獲得のカギになります。
ここでは、未経験からでも着実に単価を上げていくための4つの具体的な方法を紹介します。
② 需要の高い技術を学ぶ(中期戦略)
SES市場では、「需要が高く人材が少ない」領域ほど高単価になりやすい傾向があります。特にAWSやTerraformなどのクラウドインフラ、Pythonを使ったAI/データ分析スキルは、単価を一気に引き上げる武器になります。
これらのスキルは企業のDX推進やAI導入が進む今、特に需要が急増しています。学習コストはやや高めですが、他のエンジニアとの差別化をはかることができます。
③ 上流工程に少しずつ触れる(長期戦略)
単価を上げたいなら、「作業者」から「設計・提案ができる人」へステップアップすることが重要です。要件定義や設計、顧客折衝などの上流工程の経験を積むと、エンジニアとしての市場価値は格段に上がります。
SES現場でも、顧客と直接やり取りできる人材は少なく、そうした人材は80〜100万円超の高単価案件に参画できる可能性があります。
④ 首都圏を含めた働き方を検討する
同じスキルを持っていても、勤務地によって単価相場は大きく異なります。東京エリアでは70〜100万円の案件が多いのに対し、地方では40〜70万円台にとどまることが一般的です。
リモート案件が増えているとはいえ、首都圏の企業が発注元となるケースが多く、東京圏に拠点を置くことで高単価案件にアクセスしやすくなります。

還元率(マージン)が高いことは「悪」ではない

SES業界では「マージンが高い=悪」と捉えられがちですが、必ずしもそうではありません。マージンには以下の費用が含まれます。
- 研修費
- 資格支援
- 営業活動
- 待機期間の給与補償
- メンタルサポート・フォロー体制
そのため、単価がやや低くても教育投資やサポートが充実している企業で経験を積めば、長期的には高単価案件へステップアップしやすくなります。大切なのは、「企業が何に投資し、どんな環境で成長できるか」 を見ることです。
仕組みを知ればキャリア選びで後悔しない
これまで解説してきたようにSESの単価はあくまで契約金額であり、「給与」そのものではありません。実際の収入は、還元率や商流の深さ、待機期間中の給与扱いなどによって大きく変わります。
一方で、キャリアを丁寧に積み上げれば1〜2年で中級単価に届くケースも多く、努力が報酬に反映されやすい働き方でもあります。
もし「どうやって単価を上げていけばいいのか分からない」と感じたら、ぜひ一度Unitas(ユニタス)の無料相談をご検討ください。経験や希望を整理しながら、キャリアアドバイザーがあなたに最適なキャリア設計を提案します。
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