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自己PRが書けない理由は「順番」|AIで作る逆算式の自己PR

自己PRが書けない理由は「順番」|AIで作る逆算式の自己PR

「自己PR、何を書けばいいんだろう」——職務経歴書の自己PR欄で手が止まったまま、時間だけが過ぎていく。そんな経験はありませんか。

自分の強みを思い浮かべようとしても、「特別なことは何もしていない気がする」「これくらい誰でもできるのでは」と、書く前に自分でブレーキをかけてしまう。結論からお伝えすると、自己PRが書けないのは、あなたに強みがないからではありません。考える「順番」が逆になっているだけです。

この記事では、累計2万人以上を面接してきた採用のプロの視点をもとに、受ける職種の要件から逆算し、AIも使いながら自己PRを組み立てる方法を整理します。さらに、AIには絶対に作れない「面接で本当に効く一文」の正体についてもお話しします。

なぜ自己PRは「自分の強み探し」から始めると詰まるのか

職務経歴書の自己PR欄で手が止まり悩む若手社会人

自己PRを書こうとすると、多くの人はまず「自分の強みは何だろう」と考え始めます。これは自然な発想ですが、実は、この"自分起点"の考え方こそが、手が止まる最大の原因です

理由は2つあります。ひとつは、自分の強みは複数あって、どれを選べばいいか自分では判断できないこと。もうひとつは、自分のことは近すぎて見えないこと。毎日当たり前にやっていることほど、「強み」として認識できなくなっています。

「自分起点」をやめて「受ける職種起点」に変える

ではどうするか。発想を逆にします。自分の強みから考えるのではなく、「受ける職種が何を求めているか」を先に置くのです。

営業職ならコミュニケーション力、事務職なら正確さや段取りの良さ、職種ごとに求められるスキルは違います。その「求められている要件」を先に把握し、そこに自分の経験を寄せていく。この順番にするだけで、「何を書けばいいか分からない」状態から抜け出せます。 やみくもに強みを探すより、的が絞られている分、ずっと速いのです。

✕ BEFORE 自分起点で考える

「自分の強みは何だろう」から書き始める。→ 候補が多すぎて選べず、自分のことは近すぎて見えず、手が止まる。

◯ AFTER 受ける職種起点で考える

「受ける職種が何を求めているか」から書き始める。→ 的が絞られ、その要件に自分の経験を寄せていける。

AIに「企業が求める要件」を抽出させる——自己PR材料の集め方

AIに企業の求める要件を質問して自己PRの材料を集める様子

「受ける職種の要件から逆算する」と言われても、その要件をどう洗い出すかが次の壁になります。ここで強力な味方になるのが、ChatGPTをはじめとする生成AIの活用です。

採用のプロも、この使い方を勧めています。いまや就活生を中心に、AIを使うこと自体は当たり前になりつつあります。問題は「使うかどうか」ではなく、「どこまで踏み込んで使えるか」です。 ここから先の"掘り方"で、出てくる答えの質は大きく変わります。

基本のステップ:企業情報を入れて要件を聞く

やり方はシンプルです。応募したい企業の情報(採用ページのURLなど)をAIに渡し、「この企業のこの職種を受けたい。求められるスキルは何か」と尋ねる。これだけで、その職種に必要な要件が一覧で出てきます。あとは、出てきた要件の中から「自分が当て込めそうなもの」を選んでスタートすればいい。ゼロから強みを絞り出すより、はるかに取りかかりやすくなります。

差がつくのは「プロンプトの掘り方」

ここで差がつくポイントがあります。「この職種のスキルを出して」だけでは、ありきたりな回答しか返ってきません。 もう一歩、踏み込んで聞くのがコツです。

たとえば、「この会社で活躍している人は、どんな動き方をしているか」「トップクラスの成果を出す人に共通する要件は何か」まで尋ねる。そこまで掘ると、AIの回答は一気に具体的になり、自分の経験と照らし合わせやすい解像度になります。漠然と「スキル」を聞くのではなく、「活躍している人物像」を聞く——この差が、使える要件かどうかを分けます。

そのまま使えるプロンプト例を置いておきます。

私は〇〇社の△△職を受けます。採用ページはこちらです(URLを貼る)。 この会社の△△職で「活躍している人」は、どんな動き方をしていますか? さらに、トップクラスの成果を出す人に共通する要件を、具体的に挙げてください。

Unitas(ユニタス)キャリアアドバイザー ワンポイントアドバイス

灯野マナ

灯野マナ|キャリアアドバイザー(AItuber)

AIに「この会社で活躍してる人ってどんな人?」って聞くの、わたしもおすすめだよ〜!ぼんやり「強み教えて」より、ぐっと具体的に返ってくるの。出てきた要件に自分の経験を当てていけば、自己PRの骨組みはけっこう早く組めちゃうよ。

AIが出した要件に、自分の経験を「当て込む」

AIに企業の求める要件を質問して自己PRの材料を集める様子

AIが要件を出してくれたら、次は自分の経験とのマッチングです。「この要件には、あの経験が当てはまりそうだ」と、要件を軸に自分の過去を棚卸し(自己分析)していきます。

ただ、ここで再び"自分のことは見えない"問題が顔を出します。AIは要件を整理してくれますが、あなたの経験のどこがその要件に刺さるかは、AIには分かりません。そこにはあなたの人生が入っていないからです。

「当事者バイアス」を第三者で補う

自分では「大したことない」と思っている経験が、要件に照らすと立派な強みだった——これは相談現場で本当によく起こります。自分の経験に近づきすぎていると、価値を正しく評価できなくなる。だからこそ、客観的に見てくれる第三者の視点が効きます。「あなたのこの経歴は、この要件にこう当てはまりますよ」と指摘してもらえると、自分では気づけなかった接点が見えてきます。

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「自分の経験、どの要件に当てはまる?」を一緒に整理

AIで要件は出せても、自分の経験との接点は自分では見えにくいもの。
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派手さはいらない。面接官が自己PRで見ているのは「Action」

面接官が自己PRの行動(Action)を評価するイメージ

要件と経験のマッチングができたら、いよいよ自己PRの中身です。ここで多くの人が誤解しているのが、「派手な実績がないとアピールにならない」という思い込みです。

採用のプロは、こう言い切ります。企業は、派手さそのものを見ていません。見ているのは、その結果に向かってあなたが何のアクションを取ったか。そして、その工夫が自社でも再現できるか。ここだけです。

「STAR」で整理し、Actionを厚くする

自分の経験を伝わる形に整理するとき、広く使われているのが「STAR」というフレームワークです。Situation(状況)・Task(課題)・Action(行動)・Result(結果)の頭文字で、職務経歴書や自己PRの作成から、面接前の実績の棚卸しまで、幅広く活用できます。構造化面接の評価軸としても知られています。求職者側も、このSTARに沿って準備しておくと、書類でも面接でも話が一気に整います。

そして、4つの中で最も厚くすべきはA(Action)です。状況や結果はさらっと語れても、「で、あなたは何をしたのか」が薄いと、面接官の印象に残りません。

⚠️ 面接官が「薄い」と感じる自己PRの特徴

  • 実績は立派だが「自分が何をしたか」を聞くと言葉が詰まる
  • 結果の数字ばかりで、そこに至る工夫が語られていない
  • 「頑張りました」で終わり、具体的な行動が出てこない

結果は「定量(達成率120%、表彰など)」と「定性(チームで一番の成績、など)」の両面で置くと伝わりやすくなります。でも一番の勝負どころは、その手前の「何をしたか」をどれだけ自分の言葉で語れるかなのです。

AIが作れない、たった一つのもの——「掘られたときの自分の言葉」

ここまでAIの活用法をお伝えしてきましたが、最後に、最も大切なことをお話しします。AIは綺麗な自己PRを作ってくれます。でも、AIの中に、あなたの人生は入っていません。

面接では、自己PRは必ず「掘られ」ます。「なぜそう動いたのですか」「その時、何を考えていましたか」と、二段、三段と質問が重なる。最初の答えは準備してきた模範解答。でも、二度三度と掘られるうちに準備が尽き、その人自身の言葉が出てくる瞬間がある。面接官が待っているのは、まさにそこです。

「一番しんどかった瞬間」をどう語るか

採用のプロが面接で最も掘るのは、「その取り組みで一番大変だったのはどこか」「どう乗り越えたか」だと言います。一番しんどい瞬間に、人がどう考えてどう動くか。そこに、その人の本質が最も出るからです。

諦めかけたのか、誰かに助けを求めたのか、自分なりに工夫したのか——この部分は、AIには絶対に書けません。あなたが実際に経験したことだからです。だから、綺麗な雛形はAIに任せていい。でも「掘られた先で何を語るか」は、自分の中から事前に引っ張り出しておく。ここが、通る自己PRと崩れる自己PRの分かれ目です。

なお、STARの各要素を具体的な言葉に落とし込む手順は、「「キャリアの軸」が決まったら次にやること——自己PRと志望動機への落とし込み方」で詳しく解説しています。あわせてどうぞ。

【FAQ】自己PRが書けないときによくある疑問

Q. 自己PRが書けないのはなぜですか?

強みがないからではなく、「自分の強みは何だろう」と自分起点で探すために、候補を選べず手が止まるのが主な原因です。受ける職種の要件から逆算すると、書き出しやすくなります。

Q. AIで自己PRを作ってもいいですか?

要件の抽出や文章の土台づくりに、AI(ChatGPTなどの生成AI)は有効です。ただし、面接で掘られたときに語る「自分の言葉」だけはAIに作れません。土台はAI、核心は自分という役割分担が前提です。

Q. 派手な実績がなくても自己PRになりますか?

なります。面接官が見ているのは結果の派手さではなく、そこへ向けてあなたが取った行動(Action)と、その工夫が自社でも再現できるかです。STARのAを厚く語れれば、地味な経験でも十分に伝わります。

まとめ——AIで土台を作り、自分の言葉で仕上げる

最後に、今回の流れを振り返ります。

ステップやること
① 発想を変える「自分の強み探し」をやめ、「受ける職種の要件」から逆算する
② AIで要件抽出企業情報を渡し「活躍している人の要件」まで掘って聞く
③ 経験を当て込む要件に自分の経験をマッチング(第三者視点で補う)
④ Actionを厚く派手さより「何をしたか」。STARで整理しAを厚くする
⑤ 自分の言葉で仕上げる掘られたときに語る「しんどかった瞬間」を準備する

自己PRは、AIで土台を効率よく作り、最後は自分の言葉で仕上げる時代になりました。でも、あなたの経験のどこが強みになるか、掘られたときに何を語るか——その核心は、対話を通してしか見えてこないことも多いものです。一人で抱え込まず、まず話してみることから始めてみてください。

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この記事は、Unitas(ユニタス)公式YouTubeチャンネルで公開したインタビュー動画をもとに編集しています。動画版ではさらに詳しいやりとりが見られます。

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