GW明けに「辞めたい」と感じたら——2万人を面接した採用のプロが教える、衝動で動く前の3ステップ
GW明け、なんとなく会社に行きたくない。連休前まではそこまでじゃなかったのに、休み明けの月曜の朝、布団から出る足が異様に重い——そんな経験はありませんか。
結論から言うと、その感覚はあなただけのものではありません。マイナビキャリアリサーチLabが2025年5月に発表した 「中途採用・転職活動の定点調査(2025年1-3月]」 によれば、転職を考えている20代の正社員のうち約半数が「5月病になったことがある」、GW後に仕事のモチベーションが「下がる」と答えた人は全体で58.8%、20代に絞ると73.5%にのぼります。連休明けの「辞めたい」は、構造的にこの時期に集中する、極めてありふれた現象なのです。
ただ、その気持ちを衝動のまま転職活動に持ち込んでしまうと、後悔につながりやすいのも事実です。大切なのは、辞めるか我慢するかの二択ではなく、「いま感じているしんどさを整理する」第三の道を持つこと。
この記事では、累計2万人以上を面接してきた採用のプロの視点から、GW明けの「辞めたい」を扱うための3つのステップを整理します。今すぐ転職を考えていない方も、すでに動き出している方も、判断の物差しとして活用してみてください。
【データで見る】GW明けの「辞めたい」は、あなただけじゃない
まずは、いま自分が感じているしんどさを、データで客観視するところから始めましょう。「自分だけが特別ダメなんじゃないか」という思い込みは、衝動的な判断の温床になります。
マイナビ調査で見える「5月病」の実態
2025年5月に発表されたマイナビ「中途採用・転職活動の定点調査(2025年1-3月)」では、次のような結果が出ています。
- GW後に仕事のモチベーションが下がる人:全体58.8%、20代では73.5%
- 転職を考えている20代の正社員のうち、約半数(49.0%)が「5月病になったことがある」
- 「5月病」が理由で転職した人は約2割、20代では3割超
- 半数以上(51.5%)の企業が、5月病による退職抑制の対策を実施
注目したいのは、5月病を経験する割合も、5月病が引き金で実際に転職した割合も、20代が他年代より明確に高いこと。新しい環境への適応や人間関係のストレスが、若手のキャリア判断を揺さぶる時期だということが、数字でも裏付けられています。
企業側も「5月病による退職」を警戒している
調査ではもう一つ重要なデータがあります。企業の半数以上(51.5%)が、5月病による退職抑制の対策を実施しているという事実です。具体的には面談や懇親会の実施が多く、企業側もこの時期の従業員の心理状態に神経を尖らせていることが分かります。
つまり、「GW明けに辞めたいと感じるのは、あなた個人の問題ではなく、社会全体で起きている季節性の現象」なのです。一旦この前提を置いた上で、ここから3つのステップで気持ちを整理していきましょう。
辞めたい引き金の最多は「人間関係」——だから扱うべきは”自分側の整理”
3ステップの話に入る前に、もう一つ前提を共有させてください。GW明けに「辞めたい」と感じる引き金の正体についてです。
データと現場感覚、どちらも「人間関係」が最多
マイナビ調査では、転職経験者が挙げた転職理由のトップは「人間関係」でした。同じく、累計2万人以上を面接してきた採用のプロも、退職相談を受ける中で「6〜7割は結局、人間関係に行き着く」と語っています。
上司と合わない、同僚と空気が合わない、部署の雰囲気が重い——理由はさまざまですが、根っこは似ています。仕事内容そのものより、人との摩擦が辞めたい気持ちを増幅させるのです。
相手は変えられない。だから扱うのは"自分側"
ここで現実的な話をしなければいけません。会社の人間関係を、自分の力で直接変えるのは、ほぼ不可能です。気の合わない上司に「気の合う人になってください」とお願いしても、そうはなりません。
だからこそ、扱うべきは自分側の受け取り方の整理になります。
「人間関係そのものを変えようとするのではなく、自分側の"受け取り方"を整理する。それが、辞めたい気持ちと向き合う現実的な第一歩」
その整理の最初の道具になるのが、これから紹介する3つのステップです。
【ステップ1】しんどさを「意味のあるもの/ないもの」に切り分ける
最初のステップは、いま感じているしんどさを「意味のあるしんどさ」と「意味のないしんどさ」の2種類に切り分けることです。
採用のプロは、辞めたいと相談に来る方にこう問いかけるそうです。
「いま感じているしんどさって、意味のあるしんどさですか?それとも、意味のないしんどさですか?」
最初は誰もきょとんとしますが、いったん切り分けて考えてみるだけで、頭の中の霧がほどける感覚があるといいます。
Before/After:「意味のあるしんどさ」と「意味のないしんどさ」の見分け方
給与の未払い/入社前に聞いていた条件と実際が違う(勤務地・職務など)/前職と全く同じ業務を、同じ規模でただ繰り返すだけで成長機会がない——耐え続けても未来に繋がらず、消耗するばかりのしんどさ
求められるスキルの幅が広がっている/プレイヤーから管理職への引き上げ/カスタマーサクセスからフィールドセールスへの職域転換/未経験職種でゼロから覚えている段階——半年後、一年後の自分の幅が確実に広がるしんどさ
耐えてはいけない「意味のないしんどさ」のサイン
特に注意したいのは、「耐え続けてはいけないしんどさ」のサインです。これらに当てはまる場合は、自分側の整理を超えて、環境そのものを変えることを検討すべき領域です。
切り分けの効果は単純で、「これは耐える価値がある」「これは耐える必要がない」を自分で判断できるようになることです。次のステップでさらに精度を上げていきます。
Unitas(ユニタス)キャリアアドバイザー ワンポイントアドバイス
灯野マナ|キャリアアドバイザー(AItuber)
GW明けの「辞めたい」、わたしのLINEにもめっちゃ届くよ〜!でね、いきなり退職届より、まず"このしんどさはどっち?"って切り分けてみるのオススメ。意味あるしんどさなら頑張る価値があるし、意味ないしんどさなら違うアクションだよ。一緒に整理したい人は気軽に話しかけてね!
【ステップ2】当初の「転職軸」と照らし合わせる
切り分けてもグレーゾーンが残る——という方には、もう一つの問いを足してみてください。
「あなたが、最初にこの仕事(あるいは前回の転職)に何を求めましたか?」
成長、年収、自分の時間、健康、家庭との両立——軸は人それぞれでいいのです。「みんなお金」でも「みんな成長」でもありません。家族との時間を確保するために働く人もいれば、体力的に無理のないペースで長く続けたい人もいる。それぞれ全部、立派なキャリアの軸です。
「軸」と「いまのしんどさ」を重ねてみる
大事なのは、今のしんどさが、あなたの軸の方向に進んでいるかどうかです。
たとえば「成長したい」と思って転職した人が、いま"意味のあるしんどさ"の中にいるなら、それは軸と一致しています。頑張ってみる価値がある。
逆に「家庭との両立」を求めて転職したのに、休日も連絡が鳴り止まないような環境だったら——これは"意味のあるしんどさ"であろうとなかろうと、軸と合っていません。整理が必要なサインです。
「軸」が曖昧なまま転職するとどうなるか
ちなみに、軸が曖昧なまま"なんとなく"転職する人は、転職後に同じモヤモヤを繰り返しやすい傾向があります。「環境を変えれば気持ちもリセットされる」というのは、半分しか当たっていないということです。
軸を整理し、現状と照らし合わせる。これが、判断のいちばん確かな物差しになります。
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【ステップ3】一人で抱えず、第三者に相談する
ここまでの2ステップを「やってみよう」と思っても、一人で整理し切るのは、実はかなり難しいです。
自分のキャリアって、自分一人ではなかなか評価できないんですよね。比較対象がないし、原体験は日常に埋もれて見えなくなる。だから、いくら考えても堂々巡りになることが多いのです。
そこで重要になるのが、話す相手を見つけるステップ3です。
最初の相談相手は、できれば「直属の上司」
意外に思われるかもしれませんが、採用のプロが最初に勧めるのは、直属の上司への相談です。「自分は成長を求めて転職してきた。でも今振られている仕事が、その方向に進んでいる気がしない」——そう率直に伝えてみる。
たぶん上司の側にも、その仕事を振った背景があります。「半年これを見て、できそうなら次のステップを考えている」「営業なら新規5件取れた時点で次の話をするつもりだった」など、背景を聞いて、自分の希望を伝えて、ゴールを握り直す。これだけで、いまのしんどさの意味が変わる可能性があります。
上司が難しいなら、第二・第三の相談先を
ただ、いきなり上司に切り出すのは怖い、ハードルが高い——という気持ちもよく分かります。その場合は、次の選択肢があります。
| 相談相手 | 特徴 |
|---|---|
| 同僚・同期 | 同じ環境を共有しているので、共感が得やすい |
| 社内のキャリア相談窓口 | 半数以上の企業(51.5%)が設置。大手企業に多い |
| 人事部 | 評価制度や異動の仕組みを踏まえた相談ができる |
| 前職の友人・同業の知人 | 第三者視点でフラットに見てもらえる |
| 社外のキャリアアドバイザー | 利害関係なく、客観的に整理してくれる |
ポイントは、客観的に判断できる相手を一人でも持つこと。一人で抱え込まないことが、衝動的な判断を避ける最大の防御になります。
「転職するか決めていない」段階こそ、相談に行くべき理由
最後に、相談を躊躇する方が口にする「まだ転職するか決めていないんですけど、相談してもいいんですか?」という疑問に触れておきます。
Unitas(ユニタス)の現場感覚として、転職相談に来られる方の==10人中8人は、まだ転職するかどうか決めていない方==です。「転職するぞ」と意気込んで来る方は、実は少数派なのです。
- 「このままの会社で本当にいいのか分からない」
- 「自分の市場価値を知っておきたい」
- 「転職するかどうか、まず整理したい」
どれも、キャリア相談を始めるのに十分な理由です。自分の履歴書がマーケットでどう見えるかを知るだけでも、大きな判断材料になります。知った上で「今の会社に残る」という選択をするのも、立派なキャリア戦略です。
「転職を決めてから相談」は、実は遅すぎることが多いもの。まだ決めていない段階こそ、まっさらな状態で自分と向き合うチャンスです。
まとめ——3ステップで「辞めたい」を整理する
最後に、今回の3ステップを振り返ります。
| ステップ | やること | 得られるもの |
|---|---|---|
| ①切り分け | しんどさを「意味のある/意味のない」で2分類 | 耐えるべきか、変えるべきかの基準 |
| ②軸の照合 | 当初の転職軸と現状を重ねる | いまの環境が自分の方向と合っているかの判断 |
| ③相談 | 上司/同僚/社内窓口/第三者へ | 一人で堂々巡りにならない外の視点 |
GW明けの「辞めたい」は、20代の半数が経験するごく普通の現象です。だからこそ、その気持ちを衝動で扱うのではなく、3ステップで整理してから次の一歩を決めてほしい——それが、累計2万人以上を面接してきた採用のプロからのメッセージです。
辞める/我慢する、の二択ではない、第三の道がここにあります。一人で抱え込まずに、まずは話してみるところから始めてみてください。
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この記事は、Unitas(ユニタス)公式YouTubeチャンネルで公開した「5月病で会社を辞めたい・退職代行を検討する人が増加?退職や転職を考える際のポイントを整理!」をもとに編集しています。動画版では、細川さんの肉声で詳しいやりとりが見られます。
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※本記事のデータ引用元:マイナビキャリアリサーチLab「マイナビ 中途採用・転職活動の定点調査(2025年1-3月)」(レポート原典はこちら)

