IT業界とは?市場規模・成長分野・転職者必見のポイントを解説!【2025年最新版】

IT業界は急速な成長を続けており、2025年はさらなる市場規模の拡大が予測されています。DXの推進やAI・クラウド技術の発展によって多くの企業がIT人材を必要としており、未経験から転職可能な求人も豊富です。この記事では、IT業界の市場規模と成長の背景、今後注目すべき5つの分野を詳しく解説。また、未経験からIT業界へ転職するためのポイントも紹介します。
IT業界とは?2025年の市場規模と成長の背景

IT企業とは、コンピューター関連の技術を扱う企業の総称です。主に、ソフトウェアやハードウェアの開発、情報処理をおこなう企業を指しますが、ネットワークを管理する通信サービス企業や、インターネット通販・コンテンツ配信を提供するWeb系企業もIT企業の一種といえます。
近年では、AIやIoT、ビッグデータを活用する企業も増え、業界は多様化。さらに、ビジネスや日常生活を支える重要な役割を果たし、社会インフラとして不可欠な存在となっています。
国内IT業界の市場規模
IDC Japanが発表した国内IT市場産業分野別/従業員規模別 2025年最新予測によると、2025年の国内IT市場規模は前年比8.2%増の26兆6,412億円と見込まれています。産業分野別で見ると、特に拡大が見られるのが情報サービス業です。データセンター投資の増加により、2024年の11.7%に続き2025年も6.1%と高い成長率が見込まれています。
また、2023年から2028年の年間平均成長率(CAGR)は6.3%で、2028年には市場規模が36兆1,000億円に達すると予測されています。 他の業界に比べて安定した成長を見せており、これはデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進やクラウドサービスの普及が主要な要因とされています。
IT業界が成長している背景
IT業界の急速な成長には次のような背景があります。
- DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進
- クラウド化・リモートワークの普及
- AI・データ技術の進化
- サイバーセキュリティの重要性の高まり
それぞれ詳しく見ていきましょう。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進
「2025年の崖」を回避するため、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進が加速しています。
2025年の崖とは、2025年までに老朽化した基幹システム(レガシーシステム)の維持が困難になり、DXが進まない企業は競争力を失うリスクがあるという問題です。これを回避するため、政府はデジタル庁の設立などを通じてデジタル化政策を推進し、企業のDX化を後押ししています。
- 紙ベースの業務からクラウドへの移行
- AIの活用による業務効率化
- IT投資の拡大
これらが、IT業界の成長を支える大きな要因となっています。
クラウド化・リモートワークの普及
コロナ禍を契機にリモートワークが一般化し、企業のITインフラ整備が加速しました。この結果クラウド市場が急成長し、多くの企業が従来のオンプレミス型からクラウド環境へ移行しています。
特に、SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)やPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)の導入が進み、業務の効率化や柔軟な働き方を支えています。また、企業のITコスト最適化への関心の高まりによりクラウド活用の需要がさらに拡大したことも、IT業界の成長要因となっています。
AI・データ技術の進化
企業の課題解決手段として、AIを活用した自動化や業務効率化が注目されています。特に、BIツールやデータ分析プラットフォームの導入が進み、データを活用した意思決定の重要性が高まっています。
これにともないAI市場は拡大し、AIエンジニアやデータサイエンティストの需要も増加。企業は高度な分析技術を導入し、競争力のさらなる向上を目指しています。こうした流れから、AI・データ技術の進化は今後もIT業界の成長を支える重要な要素となることが見込まれます。
サイバーセキュリティの重要性の高まり
サイバー攻撃の増加により、セキュリティソリューションの需要が急速に拡大しています。また、個人情報保護法の改正やGDPRの影響を受けて、日本企業もセキュリティ対策を強化しつつあります。
企業のIT投資の中でもセキュリティ分野の予算は年々増加傾向で、近年のIT業界成長の一因となっています。
IT業界で成長が見込まれる5つの分野

IT業界の中でも、次に挙げる5つの分野は特に今後の成長が見込まれています。
- AI(人工知能)・機械学習
- クラウドコンピューティング
- DX(デジタル・トランスフォーメーション)
- サイバーセキュリティ
- ロボティクス
それぞれ詳しく見ていきましょう。
AI(人工知能)・機械学習
AI(人工知能)にはさまざまな分野があり、それぞれが異なる用途や技術を活用しています。中でも以下に挙げる分野は、特に注目を集めています。
- 生成AI:テキスト・画像・音声・動画などを生成する技術で、マーケティング、クリエイティブ業務、プログラミング支援などに活用
- 機械学習:データをもとにパターンを学習し、予測や分類をおこなう技術で、需要予測、顧客分析、レコメンドシステムなどに利用
- 深層学習:ニューラルネットワークを活用した高度なAI技術で、画像認識(顔認証や医療診断)、音声認識、自然言語処理(翻訳やチャットボット)などに応用
- 自然言語処理:テキストの解析・翻訳・要約・質問応答などをおこなう技術で、チャットボット、検索エンジン、カスタマーサポートの自動化などに利用
AIは多様な分野で業務効率化を実現しており、その適用範囲は今後も拡大が予想されています。中でも生成AIの進化は目覚ましく、企業での活用が急速に広がっています。
また、AI技術の発展に伴い大量のデータを活用した高度な分析や予測が可能になり、企業の意思決定の精度向上にも寄与しています。この流れの中で、AIの開発やデータ解析などをおこなう「AIエンジニア」やビッグデータの分析などを担当する「データサイエンティスト」などの専門職の需要が急増しており、AIを活用できる人材の確保が企業にとって重要な課題となっています。
クラウドコンピューティング
クラウドコンピューティングはインターネット経由でサーバーやストレージ、データベースなどのITリソースを利用できる技術です。代表的なサービスにはAWS(Amazon Web Services)、Microsoft Azure、Google Cloudなどがあります。
現在、多くの企業が自社サーバーの維持コスト削減と拡張性のあるITインフラ構築のために、クラウド環境への移行を進めています。この流れを受けて、「クラウドエンジニア」や「インフラエンジニア」の需要が急増しています。
クラウドエンジニアは、AWSやAzureなどのクラウドサービスを活用してシステムの設計・構築・運用をおこない、企業のITインフラの最適化や効率化を支援します。一方、インフラエンジニアは、サーバー、ネットワーク、データベースなどのIT基盤の設計・構築・運用を担当し、システムが安定して稼働するよう管理します。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)
DX(デジタル・トランスフォーメーション)は、企業がデジタル技術を活用し、業務の効率化やデータ活用を推進する取り組みです。近年、多くの企業が紙ベースの業務からクラウドシステムへ移行し、データドリブンな経営を目指しています。この流れの中で、「DXエンジニア」や、「システムアーキテクト」の需要が高まっています。
DXエンジニアは、データ分析やAIの活用を通じて、業務の自動化や意思決定の高度化を支援します。一方、システムアーキテクトは、企業のITインフラやアプリケーションの設計を統括し、最適なシステム構成を構築する役割を担います。
サイバーセキュリティ
サイバーセキュリティーとは、データ・システムを不正アクセスやサイバー攻撃から守る技術や対策を指します。近年のサイバー攻撃増加によって企業のセキュリティ対策も強化されており、サイバーセキュリティ分野の成長につながっています。
日本企業は他の先進国に比べて対策が遅れ気味でしたが、個人情報保護法の改正やGDPR(EU一般データ保護規則)の影響を受けてより厳格なセキュリティ基準を導入する動きが進んでいます。特に、「ゼロトラストセキュリティ」の概念が広がり、社内外を問わず常に認証をおこなうセキュリティ対策が重要視されています。また、企業のセキュリティ監視を担うSOC(Security Operation Center)の設立も進んでおり、「セキュリティエンジニア」や「SOCアナリスト」の需要が高まっています。
セキュリティエンジニアは、企業のネットワークやシステムの脆弱性を分析し、セキュリティ対策を設計・実装する役割を担います。一方、SOCアナリストは、企業のシステムをリアルタイムで監視し、サイバー攻撃の兆候を検出する専門職です。
ロボティクス
ロボティクスとは、ロボット技術を活用して自動化や効率化を実現することで、AIやIoTの進化とともに次のようなさまざまな分野で広がりを見せています。
- 物流・小売業界:無人配送ロボットやドローン
- 建設・農業分野:自動運転技術を活用した重機や農業機械
- 介護・医療分野:介護支援ロボットや手術支援ロボット
- 飲食業界:配膳ロボットやAIチャットボット
こうした産業用・サービス用ロボットは「ロボットエンジニア」が設計や開発を担当し、「組み込みエンジニア」がロボットやIoTデバイスに組み込まれるソフトウェアの開発を担います。
IT業界への転職を成功させるためのポイント

成長が続くIT業界は慢性的な人材不足を抱えていることから、未経験でも転職しやすい業界といえます。ここでは、特に未経験者が転職しやすい職種のほか、転職前に身につけておくべきスキルや勉強法を解説します。
未経験者が転職しやすい職種とは?
未経験からIT業界に転職しやすい職種として、Webエンジニアが挙げられます。WebエンジニアはWebサイトやアプリの開発をおこなう職種で、フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアに大きく分けられます。
フロントエンジニアはHTML・CSS・JavaScriptを使用して画面のデザインや動きを担当します。一方、バックエンドエンジニアはPythonやJavaなどを用いてサーバー側の処理を構築します。Web開発は学習教材が豊富で個人でのポートフォリオ作成が可能なため、未経験でも実績を積みやすいのが特徴です。
また、ITサポートやヘルプデスクを経由してインフラエンジニアを目指すのもひとつの手です。ITサポートやヘルプデスクは社内外のシステム利用者の問い合わせ対応やトラブルシューティングをおこなう仕事で、未経験でもチャレンジしやすい職種です。ITサポートやヘルプデスクで基本的なIT知識を身につけたうえで資格を取得したり実務経験を積むことで、より高度なエンジニア職へとステップアップ可能です。
転職前に学ぶべきスキルと勉強方法
IT業界への転職を成功させるために、まずはプログラミング言語を学びます。学ぶ言語は、Web開発ならJavaScriptやPython、企業システム開発ならJavaなど、目指す分野に合わせて選びます。
また、転職にはIT資格の取得も役立ちます。例えば、「基本情報技術者試験」はITの基礎知識を体系的に学べる資格で、「AWS認定クラウドプラクティショナー」はクラウドの基礎知識を証明でき、クラウドエンジニアを目指す人におすすめです。さらに、Linuxの知識を証明できる「LPIC」も、インフラ系エンジニアを目指す場合に有利です。
学習方法は、独学のほかにオンラインスクールの活用も効果的です。UdemyやTechAcademy、テックキャンプなどのスクールでは実践的なカリキュラムが用意されており、転職支援を受けられるコースもあります。
Unitas(ユニタス)は未経験からのエンジニア転職をサポート
「IT業界に興味はあるけれど、スキルや経験がなくて不安」。そんな方におすすめなのが、エンジニア特化型の転職支援サービスUnitas(ユニタス)です。未経験者でも活躍できる企業の紹介やキャリア相談をおこなっており、安心して転職活動をスタートできます。
また、IT業界で求められるスキルを学べるリスキリング支援も充実。実践的なスキルを身につけながら転職活動を進められるので、未経験でも自信を持ってIT業界にチャレンジできます。
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まとめ
IT業界は技術の進化とともに成長を続けており、市場規模も拡大しています。特にAI、クラウド、サイバーセキュリティなどの分野は今後もさらなる発展が見込まれ、多くの企業がIT人材を求めています。
フロントエンドエンジニアやバックエンドエンジニアなど未経験からチャレンジしやすい職種もあり、求人も豊富です。プログラミングスキルやIT資格の取得、実践的な経験を積むことで、キャリアアップのチャンスもあります。
今後も成長を続けるIT業界で、新たなキャリアを目指してみてはいかがでしょうか。