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【Unitas(ユニタス)リクルーティングアドバイザー小澤に聞く】エンジニアが職種チェンジすると年収は上がるの?

【Unitas(ユニタス)リクルーティングアドバイザー小澤に聞く】エンジニアが職種チェンジすると年収は上がるの?

「開発職に転じれば年収が上がる」——。そう考えて職種チェンジを目指すエンジニアは少なくありません。
しかし実際には、スキルの非連続性や案件単価の構造から、年収が下がってしまうケースも少なくないのが実情です。

クラウドやAIが浸透しつつある現在、価値を高めているのは「開発もわかるインフラ」=SRE・クラウドエンジニアなどです。AWS・Docker・Terraform・Pythonを使いこなすことができる人材は、むしろ開発職を上回る報酬を得ることができる場合があります。

Unitas(ユニタス)リクルーティングアドバイザーの小澤さんが、今回はエンジニア転職の最新事情を踏まえながら、戦略的な職種チェンジの考え方を解説します。

インフラエンジニアから開発エンジニアへの転向希望が急増

近年、転職市場で「開発職にチャレンジしたい」というインフラエンジニアの声が急速に増えています。背景には、AI・クラウド・DXの進展による開発職=“主役”というイメージの高まりがあります。

しかし、実際の仕事内容やキャリア構造を冷静に分析すれば、「開発へ行けば収入も上がる」という単純な話ではないことが理解できるでしょう。以下ではまず、両者の役割の違いと市場動向を整理して解説します。

インフラと開発の違いとは?

インフラエンジニアは、企業のIT基盤を支えるサーバー・ネットワーク・クラウド環境などを「設計・構築・保守」する職種です。システムが24時間安定して動くように、性能・セキュリティ・コストの最適化を行う“縁の下の力持ち”的な存在といえます。

 一方、開発エンジニアは、ユーザーが直接触れるシステムやアプリケーションの「設計・開発・テスト・運用」までを担う職種です。サービスの体験や価値を形にするフロントラインであり、企業の競争力を左右する領域と言えます。

どちらも不可欠な職種ですが、ビジネスサイドから見ると「目に見える成果を生み出す開発エンジニア」の方が、価値がわかりやすいことも事実です。そのため求人票上の平均年収を比較すると、やや開発職の方が高く見える傾向にあります。

年収の最大値は開発エンジニアのほうが高い

 ※出典:求人ボックス「インフラエンジニアの仕事の年収・時給・給料」「Webエンジニアの仕事の年収・時給・給料」(2025年10月時点)をもとにUnitasが再構成

ただし、開発エンジニアの上位者の年収は「963万~」とインフラエンジニアの「923万~」よりも高くなっています。

また、インフラエンジニアの中でもとくにクラウド・SRE・セキュリティといった領域では、AWSやTerraform、Pythonなどを扱える技術者の単価が上昇しています。現場では「インフラもコードで管理する」IaC(Infrastructure as Code)の流れが主流となり、“コードを書けるインフラエンジニア”が開発職並みに評価される状況になっています。

※ただし、SES・受託・自社開発など雇用形態によって実際の年収レンジは大きく異なります。

ただし、キャリア初期(1〜3年目)で見ると構図は逆転します。開発エンジニアはスキルの市場性が高く、早い段階でスカウト・転職・副業などの選択肢が増えるため、伸びしろベースでは開発職が有利といえます。

一方で、インフラエンジニアは構築・運用フェーズが長く、上流設計やクラウド設計に到達するまで時間がかかる傾向があります。

「開発職への転向希望」が急増している理由

こうした背景もあり、現在は「インフラから開発へ」職種チェンジを希望するエンジニアが増えています。特に20代後半〜30代前半の層では、「コードを書けるようになりたい」「開発案件の方が市場価値が上がる」といった理由で、PythonやJavaの学習に踏み出す人が増加傾向にあります。

しかし、開発に行けば必ず年収が上がるとは限らない点には注意が必要です。

 

リクルートアドバイザー小澤さんが指摘!職種チェンジの危険性

「開発職に転向すればキャリアの幅が広がる」「AI時代に通用するスキルを身につけたい」——。こうした理由から、インフラや運用、テスト系のエンジニアが“開発職”を志すケースは増えています。

しかし、転職市場ではその挑戦が想定以上に険しい道であることを理解しておく必要があります。小澤さんは「職種チェンジはタイミングと戦略を間違えると、むしろ年収を下げてしまうリスクがある」と指摘。

以下で、その理由を解説していきます。

転職時に「未経験扱い」になる

インフラエンジニアとして5年の経験を積んでいても、「開発をやってみたい」と学習を始めた段階では、採用企業からは“開発実務未経験”として見なされることが多いのが現実です。

開発職の中途採用では、即戦力として「プロジェクトでコードを書いた経験」が重視されるため、研修や独学レベルでは評価されにくい傾向があります。結果として、「年収アップを狙って転職したのに、初年度は現職より下がった」というケースも少なくありません。

とくに、インフラ・運用・テスター職から開発・データ系への職種チェンジを目指す場合、その傾向はより顕著です。一方で、現職のスキルを活かせるインフラの延長線上でキャリアを積んだ上で、社内異動などにより開発案件に関わるといったやり方の方が結果的に年収も上がりやすい場合もあります。

「未経験から開発へ」は難易度が高い

新卒や情報系学部出身であればポテンシャル採用の枠もありますが、文系出身や他職種からの中途転職では、即戦力を求める開発現場に入るハードルは非常に高いのが現状です。

採用企業側は「教育コスト」を重視します。開発未経験者を1人前に育てるには半年〜1年単位で時間とリソースが必要なため、教育体制の整っていない企業では採用自体を見送ることも多いと考えられます。

そのため、「現職での経験を活かせる職域でまず成果を出す」方が、長期的には高く評価されやすいと考えられます。

開発言語をチェンジしても実務経験がないと難しい

さらに、すでに開発経験がある人でも、使用言語を変える転職には注意が必要です。「Javaで開発してきたが、今後はPythonをやりたい」「機械学習やデータ分析に携わりたい」といったケースでも、採用側は「Pythonでの実務経験」がないと判断し、やはり未経験枠での扱いになることがあります。

資格を取ったり、Udemyなどのサービスを利用して勉強するという方法もありますが、“実務で使ったかどうか”が最重要評価ポイントになります。つまり、焦って「今のスキルをリセットする」よりも、「既存の強みをベースに次のステージへ伸ばす」方が結果的に成功しやすいと考えられます。

 

結論!「開発エンジニアになれば年収が上がる」は誤解

「開発に転向すれば年収が上がる」との考えから転職を検討するエンジニアは多いですが、現実はもう少し複雑です。確かに開発職は需要が高く、スキル次第で高収入を狙える職種ではあります。

しかし、職種チェンジ直後は“未経験扱い”となり、一時的に年収が下がるケースも少なくありません。特にインフラや運用系から開発職へ移る場合、現場で通用する実務スキルを身につけるまでに時間がかかるのが実情です。

そのため、一気に開発職へ移るよりも、段階的なキャリアチェンジを意識すべきと考えられます。まずは現職のインフラ知識を活かしながら、クラウド構築やIaC、自動化スクリプトなど、「コードを書くインフラ」へと領域を広げていくと良いでしょう。

そして、次に開発案件を一部担当することで経験を積み、最終的に開発メインへと移行するといったステップを踏めば、スキルの連続性を保ちながら確実に年収を伸ばしていくことができます。

さらに、AWS・Docker・Terraform・Pythonなどを扱える「開発もわかるインフラ人材(SRE/クラウドエンジニア)」は、現在でも需要が高く、案件単価も上昇しつつあります。

AIや自動化の時代では、単なる開発者よりも、クラウド環境を理解しコードを書けるエンジニアがより高い市場価値を持つようになっているのです。つまり、年収を上げたいなら単純に「開発に行く」ではなく、「開発を理解したインフラ」を極めるという方向性でも年収アップを実現することはできるのです。

【小澤さんからのアドバイス】年収を上げたいなら「職種チェンジ」より自分の「市場価値軸」で考える

年収を上げる手段として「職種を変える」という手段を検討する人も多いですが、実際には「何を軸にキャリアを積んできたのか、という一貫性」こそが、採用側から最も評価されるポイントといえます。

短期間で職を転々としたり、「とりあえず開発へ」と方向を変えるだけでは、スキルの深さや成果が伝わらず、かえって評価を落とすリスクもあります。

キャリアを築く上で重要なことは、「自分の軸をどう再設計するか」です。たとえば、SESで複数の案件を経験してきた場合でも、「運用から設計へ」「自動化やIaCで業務効率化を実現」といった一貫した成長ストーリーを描くことができれば、職種をまたいでも“意図あるキャリア”として高く評価されます。逆に、職種だけを変えて成果軸がズレてしまうと、どれだけスキルを持っていても市場価値は上がりません。

また、現職で開発案件に関われない場合も、焦って未経験領域に飛び込むより、まずは既存の経験を活かせる転職で年収レンジを上げ、そのうえで次のステップとして開発・クラウド領域へつなぐ方が、結果的に給与の伸び幅は大きくなります。

 

ただ「開発へ行く」より「市場価値を上げる」キャリア設計を

インフラから開発への職種チェンジは十分に可能ですが、短期的な年収アップを狙うのは現実的ではありません。開発経験が浅い段階では未経験扱いとなり、むしろ一時的に年収が下がるケースもあります。

年収アップを狙ううえで重要なのは、“どのスキルを軸に市場価値を高めていくか”という長期的な視点です。まずは、インフラの知見を活かしながら開発スキルを積めるSREやクラウドエンジニアとしてのステップアップが現実的な選択肢といえます。AWSやDocker、Terraform、Pythonといったスキルを磨けば、場合によっては開発職よりも高単価の案件に携われる可能性もあるでしょう。

そして何より大切なのは、キャリアの一貫性とスキルの可視化。どの分野で強みを伸ばし、どんな成果を出してきたのかを明確に示すことが、転職成功の鍵になります。

「開発へ行くべきか・インフラで伸ばすべきか」を個別に相談可能です。ユニタスでは、AI・クラウド時代を見据えた“あなたにとって最短で市場価値を上げるルート”を一緒に設計します。

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