エンジニアって年収いくらもらってるの?平均額や給与アップの方法も解説
エンジニアの年収に関しては、他の職種に比べて高いという意見がある反面、安すぎるという声も聞かれます。一概にどちらが正解とは言い切れませんが、実際のところエンジニアが年収をいくらもらっているのか、気になる方は多いかもしれません。
日本ではエンジニア人材が不足しているため、今後ますますニーズが高まるにつれて、年収の平均額も上がっていくものと予想されます。この記事では、エンジニアがもらっている年収の平均額や、エンジニアとして働いてから給与をアップさせるための方法などを解説します。
エンジニアの平均年収について知ろう
エンジニアの年収は年代・業種・職種によって異なるため、少しでも多く年収を稼ぎたいなら、一定年数のキャリアを積んだ上で稼げるジャンルを選ぶ必要があるでしょう。
以下、エンジニアの平均年収について、具体的な金額をご紹介します。
年代別のエンジニアの平均年収
「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、年代別のエンジニアの平均年収は、基本的に年代が上がるごとに増えていく傾向があります。
一例として「ソフトウェア作成者」の年収を見てみると、次のように年収が推移しています。
20~24歳 | 約341万円 |
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25~29歳 | 約454万円 |
30~34歳 | 約513万円 |
35~39歳 | 約598万円 |
40~44歳 | 約647万円 |
45~49歳 | 約675万円 |
50~54歳 | 約680万円 |
55~59歳 | 約732万円 |
60~64歳 | 約539万円 |
数字を見る限り、基本的にエンジニアは「年齢とともに努力を重ねていけば年収が伸びる」職種の一つといえるでしょう。
業種別のエンジニアの平均年収
「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、エンジニアに分類される多くの職種が含まれる“情報通信業”の平均年収は632万円で、電気・ガス・熱供給・水道業の平均年収747万円、金融業・保険業の平均年収656万円に次いで3番目に高い平均年収となっています。
また、少し古いデータになりますが、平成29年(2017年)に経済産業省が公表した「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」によると、同じSE・プログラマという職種であっても、業種によって平均年収に若干のバラつきが見られます。
- ソフトウェア製品の開発・実装:約569万円
- 顧客向けシステムの開発・実装:約594万円
- 組込みソフトウェアの開発・実装:約604万円
職種別のエンジニアの平均年収
職種という観点からエンジニアの平均年収を紐解くと、経済産業省の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」の中で、年収700万円を超える主なエンジニアの職種は以下の通りです。
- プロジェクトマネージャー:約892万円
- 高度SE・ITエンジニア:約778万円
- IT技術スペシャリスト:約758万円
- プロデューサー・ディレクター:約793万円
その他の職種に関しては、IT運用・管理分野で約609万円、IT保守で約592万円という結果が出ており、マネジメントができる人材・専門知識を持つ人材が高給取りになる傾向が見られます。
フリーランスの平均年収は?
フリーランスエンジニアは、個々のエンジニアの能力・実績・働き方次第で年収が変わってくるため、個人差が大きいものと推察されます。
大まかには500万円台後半~1,000万円程度と考えられますが、腕に覚えのあるエンジニアなら、もっと高額の年収を稼いでいてもおかしくありません。
また、エンジニアは習得しているプログラミング言語によっても年収が変わるため、何ができるか・何を学ぶかについて考えることも年収アップにつながります。
エンジニアの年収はこれから高くなる?安くなる?
平均年収を見る限り、エンジニアは他業種に比べると高めの年収となっていますが、これからもその傾向は続くのでしょうか。
以下、エンジニアの将来性について触れつつ、年収が高くなるケース・安くなるケースそれぞれについて解説します。
エンジニアそのものはニーズが高い職業であり続ける
多くのエンジニアが活躍しているIT市場は、今後も国内で拡大を続けることが予想されます。IT技術は常に進化を続けており、そのスピードも速いため、企業におけるエンジニアのニーズが高まっています。
しかし、自社に長期にわたり貢献してくれる優秀な人材は限られており、人材獲得競争は激化の一途をたどると見られます。
このことから、エンジニアは将来性のある職業の一つといえるでしょう。
第一線で活躍できるスキル・経験を持つエンジニアは、どのような職場で働いても重宝されるため、安定した収入を得られる可能性が高いでしょう。
IT業界だけでなく、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する業界は多数存在しているため、デジタル技術の導入・活用を担うエンジニアが高給を得ることは十分考えられます。
エンジニアとして活躍し続ければ年収も上がる
エンジニアは、年代を問わず活躍し続けることで年収が上がっていくものと考えられます。
特に、部下を指導できるチームリーダーレベルになると、大幅に年収がアップすることが期待できますし、社内での指導者クラスになれば、年収8ケタに至る可能性もあります。
エンジニアとして年収アップを目指すのであれば、まずは「誰かを指導できるレベル」まで成長することを目指しましょう。
ただし、高給になればなるほど、それだけ残業時間や勉強時間も増えていくため、プライベートとのバランスを考えながら、コツコツと努力を継続する必要があるでしょう。
近年では、AIの台頭により仕事を奪われることを不安に思う人も少なくありませんが、逆にエンジニアがAIを活用することにより、これまで行ってきた作業がより効率化できるかもしれません。
エンジニアの年収が「安すぎる」といわれる理由
エンジニアの年収に関しては、Webなどで「安すぎる」といった意見が見つかることがあります。経済産業省の「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、日本は国内の他産業とIT人材で年収に大きな差が見られず、逆にアメリカなどは他産業に比べて倍以上の年収となっています。
もちろん、各国の物価や生活水準によって給与額も変わることから、年収額だけでエンジニアの給与水準を単純に比較することはできません。
日本でエンジニアとして働く場合、世界各国の年収と相対的に比較するよりも、自分の努力に対する報酬が適切かどうかで職場を評価する必要がありそうです。
エンジニアとして年収アップを目指す方法
エンジニアは、自分の技術次第で年収に差が生じる職種の一つであることから、普段の努力が年収アップにつながるものと考えて良いでしょう。
具体的には、次のような行動を意識することで、年収アップが期待できます。
スキルにこだわる
エンジニアにとって、身に付けたスキルは自分の能力をアピールする格好の材料です。特に、次のような分野のスキルを身に付けておくと、年収アップにつながります。
- 希少性が高いスキル
- 専門性があるスキル
希少性の高いスキルの一例としては、AI分野・ビッグデータ分野などに属するスキルがあげられます。
職種でいうと、データサイエンティストなどはニーズが高い職種の一つですが、日本では比較的新しい職種のため実務経験者が少ないため、実績を示せれば年収アップのチャンスがあるでしょう。
専門性があり、企業側のニーズも高い分野としては、クラウド・セキュリティの分野があげられます。
就転職にあたっては、クラウド環境での開発実績や、過去に担当した案件の数などを含む業務実績が、主なアピールポイントとなるでしょう。
より上のレベル(上流工程)に携わる
エンジニアの仕事は、上流工程と下流工程に大別できます。
基本的に未経験者は下流工程で経験を積み、そこから上流へと移行していきます。
下流工程では、設計書・指示に基づいてコーディングやテストを行いますが、その設計書・指示作りに携わっているのが上流工程です。
現場によってルール・作業のスピードなどが異なるため、様々な仕事を経験しつつスキルを磨き、実績を認められてから上流工程へと移行するのが一般的です。
上流工程へと移行し、プロジェクトリーダー・マネージャーになれれば、それだけ年収もアップすることが期待できます。
なお、下流から上流へと移行する過程では、マネジメント・交渉・コミュニケーションなど、技術面以外での幅広い能力が求められます。
将来性のある企業を目指す
エンジニアの待遇は、働く企業によっても変わってきます。
より高年収を目指したいなら、次のような企業を探すことをおすすめします。
- 元請け
- 外資系
元請け企業とは、エンドクライアント(クライアント企業にとっての顧客)から直接案件を受注している企業のことで、多くの実務を下請け企業に任せています。
担当するメイン業務がプロジェクト管理になるため、専門性を磨く上では必ずしもプラスに働くとは限りませんが、年収アップは見込めるでしょう。
外資系企業に関しては、その多くが実力主義であるため、努力次第で年収が大幅にアップする可能性もあります。ただし、英語力など別種のスキルも問われるため、誰にでも務まるとは限らない点に注意が必要です。
エンジニアで高年収が狙える職種
これからエンジニアで高年収を狙う場合、将来性とニーズが高く、様々な業種・業界に貢献することが予想される職種に就くと、長期的にキャリアを積んで高年収を実現しやすくなります。
以下、具体的な職種をいくつかご紹介します。
将来性が高い職種
今後技術を研鑽することで、よりニーズが高まる職種としては、AIエンジニアがあげられます。
AI開発に必要な言語の習得だけでなく、すでにリリースされているAIをシステムに組み込んだり、業務プロセスをAIによって改善したりできるエンジニアは、様々な業種で重宝されるでしょう。
一例として、旅行情報の提案比較サイトでAIを活用したケースがあります。
AIの実装により、旅行者の条件に合った宿泊先が見つかりやすくなると、ユーザーの旅体験もより充実するものと期待されます。
継続的に必要とされる職種
技術そのものは進化しているものの、企業・組織の運営にあたって継続的に必要とされる職種も、経験を積む中で高年収が期待できるでしょう。
職種の例としては、企業ネットワーク構築に携わるネットワークエンジニアや、顧客・社員が安全にインターネット・システム等を利用できるようセキュリティを構築するセキュリティエンジニアなどがあげられます。
いずれの職種も、現在の企業・組織運営においては不可欠な存在といえるため、技術を研鑽することで専門性を高めていけば、長期にわたり高収入を維持できるはずです。
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エンジニアの年収アップは自分の努力次第
多くの企業・組織がDX化を進める中、エンジニアのニーズは今後も高くなっていくことが予想されます。しかし、どのような職種を選んでキャリアを積むのか、またはどこで働くのかによっても年収は変わってくるため、今後の動向を注視しつつ職種・職場を検討する必要があるでしょう。
いかなる道を選ぶにせよ、エンジニアは自分の努力次第で年収アップを実現することができます。成長の方向性を定め、目標を立て継続的に努力していけば、やがて自分が思いもしなかった年収に到達できるかもしれません。