プログラミング初心者|勉強を始める前におさえるべき3つのポイント
スマートフォンやICカード、スマートウォッチなど、IT技術は私たちの生活に浸透し、日常的に利用される身近な存在となっています。また、スクールやオンライン講座、数多くの参考書など、初心者でも安心してプログラミングを学べる環境が整い、これまで専門職とされていたエンジニアという仕事が、誰もが挑戦できる身近な職業になりつつあります。
そうはいっても、「何から始めればいいかわからない」「自分には難しいのではないだろうか」といった不安から、一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、これからプログラミングを習得したいと考えている方に、学習を始める前におさえておきたいポイントをご紹介します。エンジニアの世界への第一歩を踏み出すための参考にしてください。
プログラミングの仕事とは?具体的な職種と仕事内容
エンジニアと一言で言っても、その職種の種類は多岐にわたります。職種によって必要なスキルや扱うプログラミング言語が異なるため、自身が目指す職種に応じた学習が重要です。まずは、代表的なエンジニアの職種を理解しましょう。
以下は、代表的なジャンルや職種とその概要です。
ジャンル | 職種 | 概要 |
---|---|---|
ソフトウェア開発 | アプリケーションエンジニア | 業務システムや一般向けアプリケーションの開発 |
モバイルエンジニア | スマートフォンアプリ開発(iOSやAndroid) | |
ゲームエンジニア | ゲームの開発 | |
Web開発 | フロントエンドエンジニア | Webページのデザインや動作の設計・開発 |
バックエンドエンジニア | Webアプリケーションやスマートフォンアプリのサーバ側の動作の設計・開発 | |
フルスタックエンジニア | フロントエンドとバックエンドの両方を担当できるエンジニア | |
システム設計 | システムアーキテクト | システム全体の設計、技術選定、構造設計 |
プロジェクトマネージャー | 開発プロジェクトの管理、進行を担当 | |
データ関連 | データベースエンジニア | データベースの設計・構築・運用・最適化 |
データサイエンティスト | データ分析、AIモデルの構築 | |
AIエンジニア | 人工知能システムの開発、深層学習モデルの実装・運用 | |
組み込み系 | 組み込みシステムエンジニア | 家電製品や産業機器などの制御システム開発 |
制御システムエンジニア | 工場の生産設備や自動化システムの開発 | |
インフラ関連 | インフラエンジニア | サーバー、ネットワーク、データベースなどのIT基盤の設計・構築・運用、クラウドプラットフォームの設計・構築 |
セキュリティエンジニア | 情報セキュリティ対策、脆弱性診断、セキュリティ監視 |
エンジニアになるにはプログラミング言語を学ぶことが必要
エンジニアとして活躍するためには、目指す職種や分野に応じたプログラミング言語を習得する必要があります。
しかし、いきなり難易度の高い言語の学習から始めてしまうと、プログラムの基本的な概念を理解する前に挫折したり、理解不足のまま知識を積み上げてしまいがちです。まずはHTMLなどの基礎的な技術や、JavaScript、Pythonなどの学びやすい言語から始めると、効率的にプログラミングの概念の理解が進み、他の言語の習得もスムーズになるでしょう。
以下は、職種ごとに主に使用されているプログラミング言語です。
職種 | プログラミング言語 |
---|---|
アプリケーションエンジニア | Java、C#、JavaScript(Node.js含む) |
モバイルエンジニア | iOS開発:Swift、Objective-C Android開発:Kotlin、Java iOS・Android共通:Dart |
ゲームエンジニア | C++、C#、Java |
フロントエンドエンジニア | JavaScript、HTML(マークアップ言語)、CSS(スタイルシート言語)、TypeScript |
バックエンドエンジニア | Go、Python、Java、PHP、Ruby、JavaScript(Node.jsが必要) |
システムアーキテクト | 「システム全体の設計や技術選定」が主な役割 |
プロジェクトマネージャー | 関わる案件によって異なる |
データベースエンジニア | SQL、Python、Java |
データサイエンティスト | Python、R、SQL |
AIエンジニア | Python、C++、Java、R、JavaScript |
組み込み系システムエンジニア(組み込み/制御) | C、C++、Python |
インフラエンジニア | Python、Go、Shell Script、Java、Ruby |
セキュリティエンジニア | 関わる案件によって異なる |
プログラミングの勉強を始める前におさえるべき3つのポイント
ここまで、主なエンジニアの職種と、各職種で主に使われているプログラミング言語についてご紹介しました。ここからは、具体的なエンジニアへの道のりを考えてみましょう。
【ポイント1】目指す職種を決める
自分に合った職種を見つけるには、IT業界に関する情報の収集と、自分の強みやライフスタイルに関する分析が必要になります。
職種に関する情報収集
エンジニアの業務内容は職種ごとに大きく異なります。まずは、IT系の情報サイトや著名なエンジニアの記事、エンジニアたちが集まるコミュニティ(同じ言語を学ぶ人たちの情報交換や交流の場)、書籍などを活用し、各職種の具体的な仕事内容や、IT業界全体のトレンド、展望など、幅広く情報を収集してみましょう。最初はわからないことが多いかもしれませんが、情報収集を続けるうちに少しずつ理解が深まり、自分が興味を持てるジャンルや職種が明確になっていきます。
自己分析をする
自分の経験や得意なジャンルを振り返ることで、自分に合った職種を見つける手助けになります。たとえば、デザインやユーザビリティに興味がある人は、フロントエンドエンジニアに適性がある可能性があります。また、これまで営業に携わってきた人は、多くの人と関わりながらプロジェクトを進めるプロジェクトマネージャーとして力を発揮できるかもしれません。
さらに、就職後の働き方についても考えておくことが大切です。リモートワークが中心の職種とオフィス勤務が必要な職種では、仕事の進め方が大きく変わります。また、出張が多い職種やフリーランスとして働きやすい職種などもあります。これらを踏まえながら、自分に合ったワークスタイルをイメージし、選択肢を検討してみましょう。
【ポイント2】学ぶべきプログラミング言語を選ぶ
エンジニアとして目指す方向性が定まったら、最初に学ぶプログラミング言語を選びましょう。
プログラミング言語には200以上の種類があるとされています。また、1つの言語を習得するには一定の時間が必要であり、全ての言語を習得するのは難しいでしょう。そのため、必要な言語を選び、効率よく学ぶ必要があります。
ここでは、プログラミング言語を選ぶ際のポイントをいくつかご紹介します。
目指す職種で使用されている言語を選ぶ
例えば、組み込み系のエンジニアとモバイルエンジニアでは、使用するプログラミング言語が異なります。希望の職種で活躍するためには、その分野で主要なプログラミング言語を学ぶ必要があります。
多くの職種では、開発に適したプログラミング言語が複数あります。しかし、一度に複数の言語を習得するのは難しいため、まずは1つの言語を選び、実践力が身につくまで学ぶことをおすすめします。プログラミングの基本概念には共通点が多く、ひとつの言語をしっかり理解しておくと、他の言語も習得しやすくなります。
難易度の低い言語を選ぶ
では、希望する分野で使用されている言語の中で、どの言語を選べばよいでしょうか?
初めて学ぶプログラミング言語には、難易度が低く学びやすい言語を選ぶと良いでしょう。取り組みやすい言語を選ぶことで、挫折しにくく、学習を続けやすくなります。まずは初心者にも理解しやすい言語でプログラミングの基本的な仕組みを学び、次のステップとしてより高度な言語に挑戦することで、効率的にスキルを身につけることができます。
文法がシンプルで扱いやすいJavaScriptやPHP、Ruby、Pythonなどのスクリプト言語(簡易プログラミング言語)は、初めて学ぶプログラミング言語として適しています。特にPythonは現在人気が高くコミュニティが多いことや、汎用性が高く複数の職種で活用されていることなどから、初めてプログラム言語を学ぶ人におすすめです。
【ポイント3】学習方法を決める
学習する内容が決まったら、次に学習方法を選択しましょう。
エンジニアになるための学習方法は、主に「独学」と「スクール通学」の2種類のスタイルがあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
スクールで学ぶ
現在、オンラインや対面で学べるプログラミングスクールが多くあります。希望する職種に応じた効率的な学習プログラムが用意されており、短期間でスキルを身につけたい人におすすめです。また、就職支援を行っているスクールも多く、キャリアチェンジの際には心強い味方となってくれるでしょう。
ただし、入学金や授業料としてまとまった費用が必要になることが多い点や、決まった時間に授業を受ける必要がある点がデメリットと言えます。
独学で学ぶ
独学では、無料の学習サイトや書籍を活用する方法が一般的です。費用がほとんどかからず、自分のペースで好きな時間に学習を進められるのが大きなメリットです。
しかし、学習を継続するためには、強い自己管理能力と明確な目的意識が必要となります。
プログラミング学習のモチベーション維持するためにすること
特に独学で学習を進める場合、モチベーションが維持できるかどうかが成功の鍵と言えます。ここでは、モチベーション維持に役立つ学習方法をご紹介します。
アウトプットを通じて達成感を得る
参考書などで学ぶインプットだけでなく、実際にアプリやWebサイトなどのコンテンツを制作するアウトプットを心掛けましょう。自分の知識で作り上げたコンテンツがWeb上で動き、他者に評価してもらうことで、学習がさらに充実したものになります。また、学んだ知識を使って実践することで記憶が定着しやすくなるという利点もあります。
仲間を作る
オンラインフォーラムや勉強会などのコミュニティに参加し、同じ目的を持つ仲間とつながることも、学習を続ける上で大きな助けとなります。仲間と情報を共有し、刺激を受けながら学ぶことで、モチベーションを高めることができます。
学習計画を立てる
独学でプログラミング言語を習得する場合は、学習スケジュールを自身で管理しなければなりません。しっかりと目標を定め、達成までの学習計画を立てておくことで、スムーズに学習を進めることができます。
例えば、最終目標を「Webクリエイター」とする場合、必要なスキルやプログラミング言語をリストアップし、それぞれの学習期間を細かく設定してみましょう。ひとつひとつをクリアするごとに達成感を感じながら、着実に学習を進めることができます。学習時間の確保や効率的な学習法の採用が重要です。必要に応じて、学習時間が確保しづらい場合、期間を少し延ばす(15~18カ月に調整)計画の細部を調整することで無理のない学習ペースを作り出せます。
<例>1日2~3時間程度の学習時間を確保できる前提
▷ 1~2ヶ月目:HTML、CSS、JavaScriptの基礎を学ぶ
▷ 3ヶ月目:簡単な静的Webページを作成
▷ 4~5月目:サーバの基礎を学ぶ
▷ 6か月目:作成したWebページをサーバへアップロード
▷ 7~8ヶ月目:JavaScriptフレームワークを学ぶ
▷ 9~11カ月:動的機能を実装する
▷ 12カ月:テスト&改善
▷ 13カ月:作成したコンテンツで使用した技術や解決した課題をポートフォリオにまと め、就職活動の準備を始める
プログラミング初心者が気をつけるべきポイント
プログラミングを学び始めると、小さな壁や落とし穴がたくさん出現します。最初はプログラムの仕組みがなかなか理解できなかったり、作成したコンテンツが思うように動かないなど、期待するような成果が出ないことが多いでしょう。しかし、諦めずに継続することが大切です。小さな成功体験の積み重ねが自信となり、より深く学びたいという意欲につながります。
また、学んだプログラミング言語は、実際に使用することで知識が定着します。まずは学んだ内容を使って、小さなプログラムを作成してみましょう。作成中に分からないことがあれば、また学習のステップに戻って学びます。このプロセスを繰り返すことで、自分が理解できていない課題が明確になり、効率的に学習を進めることができます。どんなに小さなプロジェクトでも、進める中で必ずと言っていいほどエラーや問題に直面します。それらを解決することで経験値を積むことができるのです。
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まとめ
初心者がエンジニアとして転職を目指す道のりは決して容易ではありませんが、小さな成功を実感できるステップを計画し、それをひとつひとつ積み重ねながら継続することが、道を切り開く鍵となります。
新しい知識を身につけることを楽しみながら、自分自身の可能性を信じ、目指すキャリアに向かって努力を続けていきましょう。