Unitas(ユニタス)代表が語る女性エンジニアのリアルな現状と転職事情
最近では、エンジニアとして活躍する女性が増えています。リモートワークの普及やフレックスタイム制度の導入など、柔軟な働き方が女性エンジニアの活躍を後押ししているようです。女性がキャリアチェンジを考える際、エンジニアという職業は選択肢として適しているのでしょうか?未経験エンジニアを対象とした転職エージェントUnitas(ユニタス)の細川代表に話を聞きました。
近年、女性エンジニアの数が着実に増加しています。かつては男性が中心の業界とされてきましたが、時代の変化とともに女性の進出が進んでいます。一般社団法人情報サービス産業協会のデータによれば、過去10年間でエンジニア全体の人数が増加しており、その中でも女性エンジニアの割合が高まっています。現在では、女性エンジニアがエンジニア全体の2割を超えるまでになりました。
・2013年:31,438人(男女比=84.6%:15.4%)
・2023年:45,945人(男女比=77.4%:22.6%)
この増加の背景には、企業の意識改革や女性の社会進出を促す政策、働きやすい環境の整備などが挙げられます。特に、リモートワークの普及やフレックスタイム制度の導入など、柔軟な働き方が女性エンジニアの活躍を後押ししています。
― エンジニアを希望する女性が増えているのはなぜだと思いますか?
やはり『手に職をつけたい』という考えが背景にあると思います。エンジニアは専門的なスキルを身につければ、将来的にも安定した職業として続けられる職種です。フルリモートや柔軟な働き方を希望する女性が増えていることも、エンジニア職が注目される理由の一つでしょう。
最近では、面接希望者の全体の3〜4割が女性という印象です。特にフルリモートで働ける職場を求める女性が多いようです。育児や出産を経て働き続けるにはリモートワークが適しているということで、エンジニアという職業が選ばれているように思います。
フルリモートで子育てしながらの働くエンジニアはまだ少ない
― フルリモート勤務ができる企業もありますが、実際に育児中の女性がリモートで働く事例は増えているのでしょうか?
リモート勤務で働く女性エンジニアの事例は増えているものの、時短勤務やフルリモートの案件はまだ少ないと感じています。転職面接でフルリモートを希望することは、選択肢を狭めてしまう可能性があるため、あまりおすすめできません。
現状では、フルリモートで育児をしながら働く事例はまだ少ないと感じています。勤務形態については、フルリモートに絞らず、柔軟に考えた方が、より多くのチャンスを得られる可能性が高くなります。
また、SES(システムエンジニアリングサービス)のような客先常駐型の働き方だと、産休・育休や時短勤務はまだ取りづらいように感じます。派遣元と派遣先、それぞれの人事制度が絡むため、時短勤務になると派遣先の選択肢が非常に限られてしまうことが課題です。
そのため、こういった事情が障壁となり、まだまだ育児中の女性が働きづらい企業もあるように感じています。
女性エンジニアが転職の際に企業を見分けるポイント
― 女性エンジニアが転職時に働きやすいSES企業を探すとしたら、具体的にどのような点を確認するといいのでしょうか?
一番重要なのは、女性男性問わず、その企業が社員のキャリアに寄り添う姿勢を持っているかどうかです。例えば、専任の担当者やキャリアアドバイザーがついて、社員の志向性に合わせた案件配置をしてくれるかどうか。理想的な企業は、こういうサポートをしてくれます。たとえば、『この案件で基礎を身につけて、次にこの案件で応用スキルを伸ばし、その次にこう成長していきましょう』といった具体的なキャリアプランを提案してくれる会社です。
― それを見極める方法はありますか?
口コミサイトを活用するのがおすすめです。『OpenWork』などの口コミサイトを見れば、実際に働いている社員の意見を確認できます。もちろん、全ての意見が正しいとは限りませんが、一定の傾向は見えるはずです。会社選びの際には、必ず事前に評判をチェックしておくべきだと思います。
評価制度の透明性も非常に重要なポイントです。SES企業だけに限りませんが、最初の年収がその後もほとんど変わらない、という会社も珍しくありません。その理由の一つは、評価体制が曖昧で、社員が現場でどのようなパフォーマンスをしているかを適切に把握できていないことです。そういった点からも、それぞれの企業の特徴をしっかり見極めてくれる業界に特化したエージェントを使うことも大事ではないでしょうか。
女性エンジニアは子育て後もキャリアを築きやすい
― 細川さんからみて、出産や子育てを考えている女性にとって、エンジニアという仕事は働きやすい環境が整っていると思われますか?
出産、子育てからの仕事復帰のしやすさについては、エンジニア職ならではの利点があります。一度エンジニアとしてスキルや実績を積んでおけば、子育てが一段落した後に再び職場に戻りやすいと言えます。プログラミングスキルや実績を活かして、ブランクを埋めながら再びキャリアを築くことが可能です。
特に、女性はコミュニケーション能力に優れている方も多いので、クライアントやチームとの調整役としても期待されています。復職時には、この強みを活かして活躍できるでしょう。
Unitas(ユニタス)は女性エンジニアの転職をサポート
エンジニアが転職を成功させるには、自分に合った企業選びやキャリアの棚卸、面接練習など多くの準備が必要です。行き詰まりや不安を感じたらUnitas(ユニタス)に相談してみませんか?
Unitas(ユニタス)はエンジニア特化型の転職エージェント。求職者の適性に合わせ、ソフトウェア(IT/Web系)はもちろんハードウェア(機械・ものづくり系)企業への転職支援をおこなっています。
また、未経験エンジニアを対象に、キャリア診断やリスキリング支援なども実施。「未経験エンジニアを育成するエコシステムの構築」を目指し、一気通貫してサポートします。
女性エンジニアの活躍が期待されている
日本では、長らく働く女性に対する支援や理解が不足していたため、キャリアを築きながら家庭を両立させることが難しい状況が続いていました。
しかし、最近では女性の働き方をサポートする社会環境が少しずつ整備されつつあります。企業や自治体が柔軟な働き方を導入し、男性の育児休暇や時短勤務の制度も広がり、女性がキャリアを中断せずに働きやすくなってきています。
女性エンジニアは、技術的なスキルだけでなく、柔軟な視点やコミュニケーション能力が求められています。特に、チームやクライアントとの調整役として活躍できる点は大きな強みになります。
これからのIT業界は、多様性を受け入れ、男女問わず誰もが活躍できる環境が求められています。女性エンジニアはその変革をリードする存在として期待されています。エンジニアという職業に興味がある方は、ぜひその一歩を踏み出してみてください。