【スペシャル対談】池澤あやかとUnitas(ユニタス)代表が語る!誰でも”ものづくり”できる未来へ (PART2)

amebaTV等で活躍中の池澤あやかさんが参加する高校生向けの無料教材「ハイスクールPython」や、細川さんが手がける未経験エンジニア向けの「Unitas Dojo」など、学びの場も進化を続けています。本対談では、お二人の取り組みを紹介しながら、これからの時代に必要とされる“学び方”や、スクールのあり方について語っていただきました。
前半はこちら「学生も社会人も!誰もが未経験からものづくりできる未来へ(前半)」
高校生向け「ハイスクールPython」
― 池澤さんは、高校生向けのスクールもスタートされたそうですね。
池澤:はい。現在「ハイスクールPython」という、高校生向けの完全無料の教材開発プロジェクトに参加しています。今の高校生は「情報Ⅰ」という授業を受けていて、大学共通テストでも情報科目を選択できるようになっています。
私たちの時代とは受験の仕組みが大きく変わっていて、プログラミングや情報スキルの重要性がどんどん増してきているんです。そういった背景もあり、より効率的に学べる教材を届けたいという思いで取り組んでいます。
― 「ハイスクールPython」の特徴はどのようなものでしょう?
「ハイスクールPython」は、完全無料でPythonの学習教材を提供しています。一般的にプログラミングはPCで学ぶことが多いと思いますが、高校生の中にはタブレットをメインで使っている方も多く、そういった環境でもしっかり学べるように、パソコンでもタブレットでも学習できます。また、教材は自由に利用・改変することができるので、生徒や先生が授業に合わせてカスタマイズして使うこともできます。
教材は大きく3つに分かれていて、基本となる「テキスト教材」と、それを解説するかたちで、YouTube上に動画教材も公開しています。
さらに、テキストの内容を実際に試しながら学べるよう、Pythonの実行環境として「Google Colab(グーグルコラボ)」もあります。Google Colabはブラウザ上で動作するため、専用ソフトをインストールしなくてもすぐに始められますし、PCだけでなくタブレットでも問題なく使えるんです。
内容としてはかなり初歩の部分から丁寧に解説しているので、大人の方がプログラミングを始めるきっかけとしてもぴったりだと思います。興味のある方は「ハイスクールPython」で検索してみてください。テキスト教材のサイトが表示され、YouTube動画へのリンクもそこから確認できます。
細川:なぜ高校生向けのサービスにされたのでしょうか?
池澤:2025年度の大学入学共通テストから「情報Ⅰ」が試験科目になったのに、高校生向けのプログラミングスクールがあまりないので、作ってみようかなという感じです。
プログラミングの中でもPythonに注目したのは、高校生向けに合わせて考えると、これからのAI分野なども視野に入れて、Pythonが主流になっていくのかなと思ったからです。本当は、日本発祥の言語であるRubyも勉強して欲しい気持ちもありますが、世界的な潮流やAI時代のニーズを考えると、やっぱりPythonを選ぶのは自然なのかもしれませんね。

無料のプログラミングスクール「Unitas Dojo」
― Unitas(ユニタス)でも、新しく無料のスクール「Unitas Dojo」を開講されるというお話を伺いました。
細川:はい、まさに今、6月開講を目指して動いているところです。もともとUnitas(ユニタス)は有料のプログラミングスクールと提携していて、プログラミングスキルが不足している方が来た場合は、そのスクールをご紹介するという形を取っていました。しかし、これまで10人〜20人くらいご紹介したのですが、実際に話を聞きに行っても、誰も参加申し込みしなかったんです。
その背景を調べてみると、やはり受講料の高さがあるようでした。スクールによっては受講費用が50万円〜100万円近くかかる場合もあり、金銭的な理由で断念する方が非常に多いことがわかりました。
そこで、「このハードルを下げるには受講料を無料にするしかない」と考えて、自社でスクールを運営することにしました。未経験の方がよりスムーズに学び、エンジニアを目指せる環境を作ろうと急ピッチで準備を進めているところです。
池澤:確かに、若い人がリーズナブルな金額で学べるというのは、本当にありがたいことだと思います。私自身、最初に参加した「Ruby合宿」は泊まり込みの合宿でしたが、普段の生活費よりも安いんじゃないか、というくらい参加費が安かったんです。だからこそ、「それなら行ってみようかな」という気持ちで参加できましたし、結果的にその経験がきっかけでキャリアが大きく開けていったという実感があります。
― 「ハイスクールPython」もUnitas Dojoも、誰にでも届くような学びの設計がされて、学ぶことの最初のハードルが低いことはとても大事ことなんですね。

Unitas Dojo | 完全無料・未経験からITエンジニアを目指せるスクール
基礎固めにはスクールに通うほうがいい

― 最近は、YouTubeやオンライン講座などで独力で学べるような環境もできてきました。独力で学ぶのとスクールに入って学ぶのは、どのような違いがあるのでしょうか。
池澤:教材自体は、今の世の中にたくさんあると思います。無料で使える学習コンテンツはかなり充実してきています。でも、やっぱり「お尻を叩かれないとやらない」というのが、人間の性質としてあるんですよね。スクールに入ると、カリキュラムに沿って「今日はここまでやる」という明確な区切りがあるので、自然と学習を進められます。特に初心者の場合、精神的に挫折してしまいやすいので、そういったサポートのある環境はすごく大切だと思います。
プログラミングをゼロから始める段階では、スクールに入るのはかなりおすすめです。人脈も広がりますし、一緒に学ぶ仲間ができることでモチベーションの維持にもつながりますから。
― 一人で学習を進めていると、不安になったり、モチベーションを保てなかったりして、挫折してしまう方も多くなりますよね。
池澤:だからこそ、ある程度お尻を叩いてもらえるような環境、スクールだったり、カリキュラムがしっかり組まれている場所に身を置いて、土台を丁寧に作ることがすごく大事だと感じています。安心感を持って学びを進められるという意味でも、特に現場目線では、基礎固めをしておくことはとても重要ですから。
細川:最近は、未経験からエンジニアを目指す方の中でも、「YouTubeで独学しています」という方がすごく多いです。ただ、独学で進めている期間がすごく長くなりがちで、半年とか一年間、ずっとYouTubeだけで勉強しているというケースもよく見かけます。
でも、そうやって学び続けてもなかなかうまくいかなくて、最終的には「やっぱりスクールに通います」という方も多い印象です。
企業側の視点で見ても、やはり「独学です」というだけではあまり高く評価されない傾向があります。きちんと体系を立てて学んでいるかどうか、カリキュラムを通じて基礎を押さえているか、という点を重視する企業が多いですね。
これからプログラミングを学ぶ人へのメッセージ

― ありがとうございました。最後に、これからIT業界に挑戦したい人にメッセージをお願いします。
池澤:ITエンジニアってどんな仕事なんだろう?と迷っている方がいらっしゃったら、まずは一歩踏み出して、何か実際に作ってみてほしいです。やってみて「楽しい」と感じた方は、きっとこの業界に入っても、楽しく充実した日々を過ごせるはずです。
エンジニアは今、本当に人手が足りていない業界です。だからこそ、新しい方のチャレンジは、どの現場でも大歓迎だと思います。ぜひ思い切って飛び込んでみてください!
細川:まずは「一歩踏み出す」という行動が、とても大切です。これはエンジニアに限らず、私自身の経験からも、どんな挑戦においても共通することだと信じています。
最初の一歩を踏み出す勇気が、未来を切り開くきっかけになって、その一歩の中に「楽しさ」が見つかれば、自然と前に進んでいけるはずです。
ですので、これからチャレンジしようとしている方には、まずは行動してみること。そして楽しみながら学んでいくことを大事にしてほしいです。私たちも、その最初の一歩を全力で支援できるよう、これからもしっかり取り組んでいきたいと思っています。