Unitas(ユニタス)代表に聞く:就活全滅からリクルート人事部長へ。失敗がキャリアを拓いた理由
新たなキャリアを目指して転職活動に臨むものの、スムーズに進まず、焦りや疲労を感じている方も多いのではないでしょうか。Unitas(ユニタス)の代表である細川氏自身も、かつてキャリアチェンジの中で数多くの失敗や迷いを経験してきた一人です。キャリアに悩むすべての方に向けて、細川氏がリアルな言葉で語ります。
ギャル男でバイト面接は全滅 就活も100社不採用に

― 現在は、転職エージェント「Unitas(ユニタス)」の代表として、多くの転職希望者の支援をされていますが、もともと面接は得意でしたか?
細川:いいえ、私自身は面接が得意ではありませんでした。大学時代には、アルバイト面接で30社落ちの経験があります。当時はいわゆる「ギャル男」で、日焼けサロンで真っ黒に焼けた肌にツイストパーマ、髭を生やした写真を履歴書に貼って提出していたんです。
今思えば「こんなヤツ、採用するわけないだろ!」となりますよね。唯一採用されたのは、人と関わらない荷物仕分けのアルバイトだけでした。アルバイトにすら受からなかった私ですから、就職活動もまったくうまくいきませんでした。
当時は、いわゆる“就職氷河期”の真っ只中でした。そんな中で、私は無謀にも人気の高いマスコミ業界を志望していたんです。
当時のマスコミ業界といえば、フジテレビは「5,000〜10,000人に1人」、電通は「200人に1人」と言われるほどの超難関。それでも「数撃ちゃ当たる」という精神で、100社以上にエントリーしました。
髪を短く切り、髭も剃り、志望動機や自己PRを一語一句丸暗記して面接に臨みました。しかし、想定外の質問に対応できず、頭の中が真っ白になったのを覚えています。
結果はほとんどが一次面接で不採用。不合格通知を受け取るたびに「社会不適合者」と言われているようで、深く落ち込みました。
その後、マスコミを諦めた私は、幼少期から目立ちたがり屋だったこともあり、スタイリストアシスタントの道に飛び込んだのです。
スタイリストアシスタントからリクルートの営業へ

― スタイリストアシスタントの経験があるとは知りませんでした。
細川:入ってみると、スタイリストアシスタントの世界は、想像以上に過酷でした。一人前になるまで給料が支給されず、両親からの仕送りに頼りながら、深夜までのアシスタント業務をして、そのあと朝までコンビニのアルバイトをしていました。
スタイリストになると周りに公言して強引に入った世界だったため、退路はなく、必死に食らいついていました。
しかし、そんな生活をしながら2年ほど経ち、そろそろ独立を意識し始めるころ、転機が訪れます。ある有名スタイリストから「細川くんは、スタイリストを通して世の中に何を表現したいの?」と問われたとき、どんなに考えても、この世界で自分が表現したいことが思いつかなかったのです。
就職活動で大きな挫折を経験し、逃げるようにスタイリストの道へ進んだ自分は、このまま仕事を続けるべきではないと思いました。応援してくれている両親に申し訳なく、電話で号泣しながら謝罪した記憶があります。
― リクルートを志望されたきっかけはどのようなことですか。
細川:リクルートの営業職を受けた理由は、非常にシンプルでした。当時の私にとって「リクルート=営業力が強い会社」という印象があり、あえて自分が最も苦手としていた“営業”という領域に真正面から向き合おうと思ったんです。
苦手なことを徹底的に鍛えることで、自分を成長させたいという気持ちが強くありました。
最終面接では、飾らず、嘘をつかず、自分の言葉で本心を伝えました。決して上手な話ではありませんでしたが、面接官の方が真摯に耳を傾けてくださって、すべてを受け止めてくれました。
この時の経験から、自分もこんなふうに人の話を受け止められる面接官になりたいと感じました。
― リクルートに入社してからのキャリアを教えてください。
細川:最初の配属先はホットペッパー銀座編集部で、最初は右も左も分からず、かなり苦戦しました。
ただ、仕事量をこなすうちに徐々に成果が出はじめ、半年後にはリーダーに任用、3年後にはマネージャーに登用されました。
私が常に意識していたのは、「量はいずれ質へ転化する」という考え方です。とにかく人の3倍は動くことを意識しました。
圧倒的な行動量を自分に課し、毎日ひたすら現場を回り続けた結果、経験値もスキルも自然と蓄積され、気づけば周囲からも頼られる存在になっていました。
入社して3年で営業のマネージャーになり、累計約2,000人のマネジメントを担当しました。

― キャリアの中で大切にしてきたことはありますか?
細川:私は決して器用なタイプではなく、人見知りでもあります。だからこそ、人の言動をよく観察して、その裏側にある感情や意図を理解しようと努めてきました。
長所も短所も、成功も失敗も、振り返ればすべてがキャリアの糧になっています。偶然の積み重ねが、次のチャンスを呼び、今の自分を形づくってきたという感覚ですね。
営業のマネージャーから人事部長に登用されたとき、当時の事業責任者からかけてもらった言葉があります。「君は人のことを良く見ている。フラットに人を見ることができている。人事は人の本質を見抜けないとダメだから」と。その一言は、今でも私の中で大切な指針として心に残っています。
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偶然の出来事をチャンスに変える力をつける

― 新卒で100社も不採用を経験した方が、今では転職エージェントの代表を務めている。本当に、人生は何が起こるかわからないですね。
細川:まさにその通りです。キャリア支援の現場には、心理学者クランボルツ教授が提唱した「計画的偶発性理論」という理論があります。これは、「キャリア形成の8割は計画通りに進まず、予期せぬ出来事や偶然の出会いを活かすことで形成される」という考え方です。
変化の激しい現代社会において、決められた目標だけを見据えるのではなく、目の前に訪れるチャンスに柔軟に対応する姿勢が、より良いキャリア形成につながる可能性もあります。
この理論では、チャンスを引き寄せるには
「好奇心(挑戦する気持ち)」
「持続性(粘り強く努力する姿勢)」
「柔軟性(変化に適応する力)」
「楽観性(良い方向に進むと信じる気持ち)」
「冒険心(リスクを恐れない行動力)」
の5つの行動特性が重要だとされています。
目の前の仕事に真摯に取り組みつつ、挑戦する気持ちを持ち続ければ、偶然の出来事をチャンスに変えることができるはずです。
転職を考えている方も、最初から完璧な目標が定まっていなくても大丈夫です。今の課題に真剣に向き合い、前を向いてチャレンジし続けることできっと道は開けます。
私自身は、コンプレックスがある分、与えられた仕事に人一倍真摯に取り組んできました。つまずいた回数が多い分、できない人の気持ちが理解できますし、人見知りだからこそ、相手が発する言葉の裏側までも理解したいと思っています。
これまでの経験や、そこから知ることができた自分の強みや弱みが今の仕事につながっているのです。スタイリストアシスタント時代には見つけられなかった仕事への思いが、ようやく見つかった気がしています。
遠回りも、あなたのキャリアを形づくる大切な一歩
キャリアは思い描いたように進まないこともあれば、挫折や迷いの中で自分の軸を見失うこともあります。しかし、そこでの経験こそが次の成長のきっかけになり、思いがけない未来につながることも多いものです。
「何が自分に合っているのかわからない」「これまでの経験をどう活かせばいいのか悩んでいる」そんな方は、ぜひ一度Unitas(ユニタス)にご相談ください。
Unitas(ユニタス)は、エンジニアに特化した転職エージェントです。エンジニアを目指す未経験者を、キャリア診断や無料エンジニアスクールなどを通してしっかりとバックアップします。これからもますます進化を続けるIT業界への転職を検討中の方は、ぜひお問い合わせください。
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Unitas (ユニタス)代表 細川 晃男
千葉県生まれ。ケツメイシやリップスライムのスタイリストアシスタントに2年間ほど従事。その後、リクルートに入社し、営業や事業企画など幅広く経験したうえで、人事部責任者や、営業部責任者を歴任。2022年4月に株式会社Unitas創業。現在は、ワークシフト事業を主力事業としながら、政府系金融機関や、大手証券会社における経営や人事のコンサルティング、リクルートに対する営業コンサルもハンズオンで行っている。
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mybestにて、転職と面接の専門家しても記事を監修!

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