【約8万件の求人データを分析】年代別に見たエンジニアマーケットのリアル
エンジニア転職は「何歳までに動くか」で、選択肢の広さが大きく変わります。タイミングごとに取るべき行動を明らかにすべくUnitas(ユニタス)が保有する約8万件の求人データをもとに、年齢×職種のリアルな求人分布を徹底分析。
20代・30代・40代それぞれに求められるスキル傾向や転職成功のポイントを、データとキャリアアドバイザーの視点から解説し、「何歳までに何をしておくべきか」を明らかにしていきます。
30歳?35歳?エンジニア転職、“年齢の壁”はどこにある?

現実問題として、エンジニア採用において企業が最も重視するポイントの一つは「年齢」という実態があります。
実際、Unitas(ユニタス)が企業に対してアンケートを行ったところ、採用時に見るポイントの1位は年齢、2位が空白期間、3位がスクール通学の有無、4位が自己学習歴(6ヶ月以上)という結果になっています。
特に未経験からの挑戦では、30歳を超えると採用難易度が一段上がる傾向があります。ただし「学習実績」や「成果物」を明確に示せれば、35歳でも採用例は少なくありません。
<エンジニア採用時に企業が見るポイント>
1位:年齢
2位:空白期間
3位:スクール通学の有無
4位:自己学習歴(6ヶ月以上)
8万件の求人案件数で見る年齢別×職種別 求人数の分布

続いて、Unitas(ユニタス)が保有する約8万件の求人データ(2025年10月31日時点)から、未経験エンジニア向け求人数を年代別に見ていきましょう。

上記データから、未経験エンジニア向けの求人は「20代前半〜後半」に集中していることがわかります。24歳以下では2,607件、29歳以下で2,518件と、若年層に対しては継続的な採用ニーズがあります。
一方で、34歳以下では1,447件、39歳以下で753件、44歳以下ではわずか442件と、年齢が上がるにつれて求人数は急激に減少。さらに40代では「未経験可」と記載があっても、実際は実務経験やマネジメントスキルを求めるケースが多く、実質的にはハードルが高い状況です。
このデータから見えてくるのは、企業が「ポテンシャル採用」として未経験者を受け入れるボリュームゾーンが20代であるという事実です。30歳を超えると“育成前提”ではなく、“即戦力前提”の採用が主流になるため、未経験者にとっては競争が厳しくなります。逆に言えば、20代後半までに学習やポートフォリオ準備を終えておくことが、チャンスを最大化するポイントといえます。
とはいえ、年齢が高いからといってすぐに諦める必要はありません。35歳前後でも、「前職でのITリテラシー」や「業務改善・データ分析」など、エンジニアリングに近い経験を持つ人材は一定数採用される可能性もあります。
未経験の場合20代、30代の案件が多い
未経験からエンジニアを目指す場合、求人のボリュームゾーンは明確に「20代〜30代前半」に集中しています。前述したデータでも、24歳以下・29歳以下では求人数が2,000件を超える一方、30代半ばを境に急激に減少しています。実際、多くの企業が「未経験可」としながらも、内部的には“32歳以下まで”を目安にしているケースが少なくありません。
こうした状況の背景には、未経験者を採用した後に育成期間を設ける必要があるという点があります。20代であれば吸収力が高く、数年後には現場の主戦力として活躍が見込めますが、年齢が上がるにつれて企業は“育成コストに見合うリターン”をよりシビアに判断します。そのため、35歳を超えると「過去の業務経験をどうエンジニア領域に転用できるか」が問われるようになり、単なる“未経験”では採用されることが困難になります。
一方で、30代前半であればまだ十分にチャンスがあるといえます。業務改善・データ分析・ツール導入など、ITに関わる経験を活かしながらスキルを磨いていけば、キャリアチェンジの可能性もあるでしょう。重要なのは、年齢よりも“今どれだけ学び、形にしているか”です。単に未経験のままでいるのではなく、「より準備の整っている未経験者」として挑戦することが鍵になります。
エンジニア不足を背景に SESは40代にもチャンスあり?
一般的にどの業界でも、年齢が上がるにつれて求人数が減るのは自然な流れといえます。しかし、深刻なエンジニア不足が進むIT業界では、未経験者の受け皿を広げる動きもでてきています。特にSES(システムエンジニアリングサービス)では、40代でも採用されるケースがあります。
SNS上においても、「41歳未経験の友人が自社開発とSES企業の2社から内定をもらった」という声があり、“35歳転職の壁”が絶対ではないことを裏付けています。つまり、エンジニアとしての実務経験がなくても、社会人としての業務理解やコミュニケーション力を評価されるケースもあるのです。
Unitas(ユニタス)としても、年齢を理由に可能性を閉ざしてほしくありません。学び直しを通じてスキルを積み、チャレンジする意志があれば、新しいキャリアへの挑戦をサポートします。
【キャリアアドバイザーが解説】年齢別「採用されやすいポイント」

ここからは年齢別に企業に「採用されやすいポイント」を解説していきます。Unitas(ユニタス)のデータによると、20代前半~30代後半において、企業側が重視するポイントは以下のようになっています。

採用の観点から見た、企業が求めるポイントが年齢によって明確に変化していることがわかります。20代前半では「ポテンシャル」や「学習意欲」が最重視され、実務経験よりも“伸びしろ”を評価されます。20代後半になると、学習意欲に加えて「自己学習歴」や「スクール受講実績」が問われ、「実際に手を動かしているか」が採用判断のカギになります。
一方で30代に入ると、「マネジメント・リーダー経験」と「継続的な学習」が両立している人材が強みを発揮します。特に30代後半では、過去のキャリアで培ったビジネススキルに加え、最新技術へのキャッチアップ姿勢を示せるかが重要です。
つまり年齢が上がるほど、“学び続けている姿勢”と“これまでの経験”の「掛け算」が企業から注目されるようになるのです。
30代からは 「マネジメント経験」と「学ぶ姿勢」が重視される
30代以降になると、単なる「未経験者」では採用を勝ち取ることが難しくなります。これは、企業の評価ポイントが、これまでの社会人経験をどうエンジニアのキャリアに活かせるか、そしてどれだけ主体的に学び続けているかという点になってくるからです。
同じ“未経験”でも、年齢を理由に採用される人とされない人の差は、この2つの要素に集約されます。

まず内定を目指すなら条件については柔軟に考える
また、未経験からエンジニアを目指す場合、最初の内定を得るためには「条件の柔軟さ」が大きな武器になります。特にSES企業では、採用時に“転勤や出張が可能かどうか”が評価項目として上位に挙がることも多く、実際に「転勤可」と答えた候補者が、年齢よりも優先的に採用されるケースもあります。
もちろん、最初から理想の働き方や勤務地にこだわることも大切ですが、まずは現場経験を積むことが最優先と考えられます。初期フェーズでは「選ばれる立場」であることを意識し、柔軟に選択肢を広げることが内定獲得への近道といえます。実務経験を積むことができれば、ゆくゆくは勤務地や働き方を自分で選べるようになるでしょう。
未経験でもキャリアの一貫性を主張する
年齢や経験に加えて、「なぜ今エンジニアを目指すのか」という明確な理由の有無も企業が面接において重視するポイントの一つです。面接では、これまでのキャリアをどうエンジニア職につなげたいのか、どんな準備をしてきたのかを自分の言葉で語れる人が高く評価されます。
転職回数は少ないほうが望ましいものの、「方向性に一貫性」があれば問題ありません。たとえば、「過去の業務でITツールを活用して業務改善を行っていた」「データ分析や自動化に関心を持ち学習していた」など、これまでの経験とエンジニア志向を結びつけるストーリーがあれば、面接官の納得度も高まるでしょう。
未経験であっても、“軸のあるキャリアチェンジ”を説得力を持って語れる人は採用担当者から信頼してもらいやすくなります。
年齢の壁は戦略次第で超えられる

「年齢」が、エンジニア転職において採用難易度を左右する大きな要素であることは間違いありません。しかし、それは同時に状況に応じた“キャリア戦略を立てるための軸”にもなりえることを意味しています。
20代ならポテンシャルとスピードを、30代ならマネジメント経験と学ぶ姿勢を、40代なら業務知識やリーダーシップを──。こういった形で年齢に応じて、自身の強みの見せ方を変えることで、チャンスは大きく広がります。
重要なのは、「年齢=不利」と考えるのではなく、「今の自分に合った勝ち筋を見つける」ことです。年齢ごとに求められるスキルやアプローチを理解し、計画的に準備すれば、どんな年代からでもエンジニアとしてのキャリアを築くことは可能です。
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