30代で未経験エンジニア挑戦は無理？陥りやすい落とし穴と転職のメリット
近年、転職により未経験からエンジニア職を目指す人が増えています。それに伴い、30代・未経験からエンジニアを目指す人もおり、実際にキャリアチェンジに成功している人もいます。しかし、30代は「若手」とは言い切れない年齢でもあるため、「今から新しい業界や職種に挑戦するのは難しいのでは？」と考える人も多いでしょう。
この記事では30代の社会人が未経験からエンジニアに挑戦するメリットや注意点、挑戦することによって拓くことができるキャリアの可能性について解説していきます。
30代でのキャリアチェンジは可能か？
人材派遣業者の調査によると、2023年12月時点でのITエンジニア・クリエイターの正社員転職求人倍率は、同調査の定義で12.0倍と非常に高くなっています。正社員求人数は前年同月比129％、転職希望者数は前年同月比173％と、ともに増加傾向となっていますが、特に転職希望者数の伸びが大きくなっていることがわかります。
このようなITエンジニア職種への人気を背景に、未経験からITエンジニアを目指す人たちが増えています。一般的に、30代を超えると新たな業界、職種への挑戦は難しいと言われることも多いですが、決してそんなことはありません。
もちろん、新たな業界・職種にキャッチアップするための努力が不可欠となりますが、実際に30代未経験からエンジニアへのキャリアチェンジを果たしたという人も多いと言われています。
エンジニアとしてのキャリアに興味があるのであれば、新たに学ぶべき知識や注意すべき点をしっかりと把握したうえであれば、挑戦する価値は十分にあるといえるでしょう。
30代からのエンジニア転職者が持つ強みとメリット
30代未経験からエンジニアを目指す場合には、20代とは違った強みをアピールする必要があります。また、これまでの社会人としての経験を生かしたキャリアの可能性についても意識しておく必要があります。
以下で、それぞれについて解説していきます。
社会人経験がもたらすアドバンテージ
「業界を問わずこれまで10年近い期間、社会人として働いてきた経験」は30代にとって、20代と比較した際の大きなアドバンテージになります。
また、他業種で培った視点や経験をエンジニアとして生かすこともできます。例えば、経理としての業務経験があれば、経理処理に関するシステムを制作する際に、その経験を生かすことが出来る可能性が高いでしょう。
さらに、いわゆる「報連相」と呼ばれるような社会人としての基本的な立ち居振る舞い、コミュニケーション能力が身についている点も30代社会人ならではの魅力と言えるでしょう。
30代ならではの自己管理能力
30代の社会人には、20代にはない責任感と問題解決能力があります。そのため、忙しい中でも自身のキャリアや成長のためであれば高いモチベーションをもって、必要な学習を続けることができるでしょう。
また、「会社で働くこと」になれているため、忙しい日々の中でも自身で上手くスケジューリングしたうえでエンジニアとして必要な知識の学習を続けることができます。必要な情報をリサーチする能力も20代と比較すると向上している場合が多いため、効率よく知識を獲得することができます。
業界知識の活用とネットワーク
前述したように、30代までに培ってきた社会人としての経験とエンジニアスキルをかけあわせることで、新たな強みを獲得することが出来る可能性があります。
例えば、営業支援システムを開発する場合には、営業マンとしての知識が生きるでしょう。また、保険や金融など専門知識が必要な分野のシステム開発に携わる場合には、そうした業界での経験を活用することができます。
このように過去の人脈や知識を生かすことで、「特定業界に特化したエンジニア」としての強みを持つことが出来る可能性があります。
キャリアの選択肢の広がり
新たにエンジニアリングに関する知識を身に着けることで、これまでとは異なるキャリアの可能性が拓けることがあります。
例えば、プロジェクトマネージャーやデータ分析・活用に特化したリサーチャー、自社システムを活用して顧客のプロジェクトを成功に導くカスタマーサクセスなど、エンジニアスキルを他のスキル・知識と掛け合わせることで、様々な選択肢が出てくるでしょう。
30代でのエンジニア挑戦が人生にもたらすポジティブな影響
エンジニアスキルに限らず30代から新しいことに挑戦することによって、人生にポジティブな影響があります。
以下で、エンジニアに挑戦することで想定されるポジティブな効果について紹介していきます。
新しい学びとスキルで得られる達成感
70歳まで働くと仮定した場合、30代はまだキャリアの序盤戦といえます。一方で30代は、社会人になってから一定の期間が経過しているため、マンネリを感じるタイミングでもあります。
そうした時期に新たな業界や知識を身に着けようと挑戦し、成功体験を積むことが出来れば、これまでとは異なる達成感を得ることができるでしょう。
未来に向けたキャリアの安定性
IT人材の将来性は高く、2030年には約79万人のIT人材が不足するという経済産業省の試算もあるほどです。
AIテクノロジーの進化などにより、今後「なくなっていく仕事」も多いと言われる中で、IT関連の業務は引き続きニーズが高い状態が続くと考えられます。
今の段階でエンジニアリングに関する知識や経験を身に着けておくことで、将来的なキャリアの安定性を増すことが期待できます。
成長する自己イメージと挑戦意識
30代・未経験からエンジニアに挑戦することで、自分に対してポジティブなイメージを持ちやすくなります。
リスクを背負いながらも未経験の分野に自らの意思で挑戦した経験は、その後のキャリアにおいてもプラスに働くでしょう。独力で学習を続けたり、定期的に新しい知識を学ぼうとする習慣を身に着けることもできるでしょう。
30代未経験エンジニアが成功するためのポイント
30代未経験からエンジニアとして成功するためには、いくつか抑えておくべきポイントがあります。事前に必要なポイントを理解しておくことで、成功する可能性も高まるでしょう。
効果的な学習方法の選択
30代から学習をスタートする場合には、効率性を意識する必要があります。仕事以外にも子育てなどにより時間が限定される中では、短時間で効率よく学習を続けていかなければならないからです。
そうした場合には、オンライン講座やプログラミングスクールの活用が有力な選択肢となります。現在は、多くのオンラインのプログラミングスクールが多様なカリキュラムを提供しているため、その中から自分にあった学習方法を見つけることで効率的にスキルを身に着けることができるでしょう。
メンターやコミュニティの活用
コツコツと1人で学習を続けることも重要ですが、孤独な状態でのモチベーション維持には限界があります。そのため、同じ状況からエンジニアを目指す仲間やメンターとなる存在を見つけるようにしましょう。
コミュニティなどに所属し、学習進捗を報告し合ったり、分からない点を質問することで学習意欲を維持しやすくなります。また、実際に転職活動を行う際の情報収集にも役立てることができるでしょう。現在では、プログラミングスクールがコミュニティやメンター探しをサポートしてくることも多くなっています。
継続力と忍耐力
継続的に努力を続ければ不可能ではないとはいえ、エンジニア学習には一定の時間がかかります。時には、学習の成果を感じることができず、不安を感じたり、無駄だと思ってしまうこともあるでしょう。
特に転職活動でなかなか成果がでない状況に陥ると、そうした思考にはまりやすくなってしまいます。しかし、忍耐力をもって継続的に続けなければ、望む成果にたどり着くのは困難です。自身でもモチベーションを維持する方法を模索しながら、成功に向けて継続的に努力を積み重ねていきましょう。
未経験エンジニアが30代で挑戦する際に陥りやすい落とし穴
30代は、20代と比較すると様々な違いがあるため、これまで想像していなかった苦難に直面することがあります。しかし、事前に想定していれば、対応できる可能性も高まります。
以下では、30代が未経験からエンジニアを目指すうえでぶつかることが多い困難について解説していきます。
スキル習得のスピードへの焦り
30代は、20代の頃と比較して記憶力や理解力が低下していると感じることも多いでしょう。周囲の若い世代と比較して、自身のスキル、経験不足を感じ、悩んでしまうことも考えられます。
しかし、これまで解説してきたように30代未経験からエンジニアを目指す場合には、30代ならではの強みもあります。そのため、焦らずに自身のペースで学習を続けることで、理想とするキャリアへと近づくこともできるでしょう。
未経験への不安とセルフイメージの低下
エンジニアに限らずどんなことでも未経験であれば、最初は失敗が多くなります。社会人として一定の経験を積み、自信もついてきたタイミングで失敗を繰り返すと、自信を喪失し、今後のキャリアに不安を感じてしまうこともあるでしょう。
しかし、新しい分野に挑戦しているからこそ失敗を経験していると考えることもできます。そうした失敗の先に、自身の望むキャリアがあることを信じて、ポジティブな自己イメージを持ち続けることが重要です。
家庭やライフイベントとの両立
30代はキャリアだけではなく、ライフステージについても変化が生じやすい世代です。結婚や出産・育児、親の介護など、「自分のことだけやっていればいい」という状況がかわるタイミングになることも多いでしょう。そうした変化に伴い、時間的制約が増えることは意識しておくべきでしょう。
こうした状況に対応するために、より効率的な学習方法と時間管理術を自己の中で確立しておく必要があります。
30代・未経験からITエンジニアになりたいならユニタス
エンジニアの転職エージェントサービスを展開するユニタスは、未経験エンジニアも対象に転職支援に加えてキャリア診断・リスキリング支援を実施しています。
こうした一連のサービス提供により、エンジニアとしてのキャリアのスタートからステップアップまで一気通貫でサポートする「未経験エンジニアを育成するエコシステムの構築」に挑戦しています。
これまで別の業界で培った知識や経験とユニタスのサービスを活用して、自身が望むキャリアを切り拓くことが期待できます。「未経験転職」では給料が下がる場合が一般的ですが、複数の業界経験やスキルのかけあわせによって給与のアップや多様なキャリア展開を期待することができます。
30代・未経験からでもエンジニアに挑戦する価値は十分にある
これまで解説してきたように、30代・未経験からでもエンジニア職を目指すことは可能であり、むしろ既存のスキルとの掛け合わせにより、これまでとは異なるキャリアを開拓することができる可能性もあります。
20代と比較して劣っていると感じる部分もあるかもしれませんが、これまで培ってきた30代ならではの強み・経験を活かし、自分のペースで学習・成長を楽しむことができれば、自身でも想像していなかった新しい未来にたどり着くことが出来るかもしれません。
今のキャリアに不安や不満を感じているのであれば、自らの可能性を信じてエンジニアとしての未来に挑戦してみてはいかがでしょうか。
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