年収1,000万円クラスのエンジニアは、どんな生活をしているのか|市場価値を高める働き方と習慣
「年収1,000万円のエンジニア」と聞くと、タワマン住まい、高級車といった派手な私生活を思い浮かべる人もいるかもしれません。しかし、実際に市場価値の高いエンジニアたちの暮らしは、そうしたイメージとは少し違います。
彼らが重視しているのは「何を持つか」よりも、「どう働き、どう成長し続けるか」。お金の使い道も、贅沢より“仕事の質を高めるための投資”に向いているケースがほとんどです。
この記事では、年収1,000万円クラスで活躍する上級エンジニアへのヒアリングをもとに、リアルなお金の使い方、仕事環境、日々の思考習慣を掘り下げていきます。
なお、年収1,000万円のエンジニアも、その多くは最初からエリート街道を歩んできたというわけでありません。今回、記事の制作にあたってヒアリングしたエンジニアも美術大学出身で、キャリア初期にはSESの現場も経験しました。
決して恵まれたスタートではない環境の中で試行錯誤を重ね、現在の市場価値を築いてきたのです。
「自分にも同じ道は描けるのか?」
そう感じている未経験・転職検討中の方はぜひ参考にしてください。
※本記事で紹介する内容は、複数の上級エンジニアへのヒアリングを踏まえつつ、特に象徴的だった一例をもとに構成しています。
上級エンジニアの1日のリアルな過ごし方

年収1,000万円クラスの上級エンジニアの働き方は、「長時間労働」を前提としていません。
自宅と外出先を意識的に使い分けるスタイルを採用していることが多く、集中が必要な設計や実装は自宅で、思考を広げたいタイミングや軽い打ち合わせは外に出る、というように、作業内容に応じて環境を切り替えています。
こうしたスタイルの前提にあるのが、仕事環境への徹底した投資です。自宅用・外出用でMacを2台併用し、クラウドを前提とした運用で常にバックアップが効く状態を構築。どちらの端末でも即座に同じ作業に入れるため、「場所に縛られない」だけでなく、「トラブルに強い」働き方を実現しています。
また、外出先の仕事場も固定ではありません。六本木、丸の内、代官山などのシェアラウンジを、その日の気分や目的に応じて使い分けています。あえて環境を変えることで、集中力を保ちやすくなり、同じ課題でも異なる視点から考えられる──そうした効果を実感しているからだといいます。
重要なのは場所そのものではなく、「目的に応じて環境を変える」という考え方です。
そして、勤務時間自体は決して長くありません。むしろ一般的な会社員より短い日もあります。ただし、1時間あたりの密度は非常に高く、事前にやるべきことを明確にし、無駄な会議や惰性的な作業を極力排除するように努めています。その結果、「だらだら8時間」ではなく「集中した4〜6時間」で成果を出すスタイルを実現しているのです。
このように、上級エンジニアの1日は派手さはないものの、生産性を最大化するための選択を積み重ねています。重要なのは才能よりも、環境と働き方を自分で設計する意識。そうした習慣の蓄積が、市場価値の高いエンジニアの現在をつくっているのです。
浪費より「生産性と時間」を買う生活

年収1,000万円クラスの上級エンジニアの支出を見ていくと、いわゆる“ご褒美消費”や見栄のための浪費はほとんどありません。代わりに一貫しているのが、生産性と時間を買うための支出です。
お金を使う基準は「気分が上がるか」ではなく、「成果までの距離がどれだけ縮まるか」。その価値観は、日々の仕事環境から余暇の過ごし方にまで貫かれています。
作業環境への投資は惜しまない
まず象徴的なのが、作業環境への投資姿勢です。PCは「1台を長く大切に使う」よりも、「止まらない体制をつくる」ことを優先。前述したようにMacを2台併用し、常に同じ開発環境・データに即アクセスできる状態を保っています。
「故障や不具合が起きても、その瞬間に仕事が止まらない」。これは保険のような考え方ですが、締切や信用が価値になるエンジニアにとっては、極めて合理的な選択です。「1日止まるリスク」を考えれば、2台体制はむしろコスト削減だと考えることができます。
ツールへの課金はコストではなく投資
ツールへの支出も同様です。AI・開発支援ツールには、月あたり200ドル前後を継続的に投資。Claude Code、Cursor、Antigravityなどを用途別に使い分け、「無料で我慢する」より「有料で早く作る」判断を迷いなく行っています。
ここで重要になるのは、単に最新ツールを追いかけているという状態にしないことです。どの工程に、どのツールが最も効くかを見極め、そのツール選定の過程そのものがスキルの一部になっています。
結果として、実装スピードや試行回数が増え、アウトプットの質も上がる-。課金は“支出”ではなく、時間を圧縮するための投資なのです。
余暇の使い方にも“作る視点”がある
AIツールによって開発スピードが上がったことで、余暇の使い方にも変化が生まれています。土日だから完全にオフ、というより、時間があれば自然とプロダクトを触っている状態になっているといいます。
仕事と趣味の境界は曖昧ですが、本人に強い負担感はありません。なぜなら「やらされている作業」ではなく、「試したいものを作っている時間」だからです。インプットとアウトプットが循環し、結果的にそれが仕事にも還元される状態を実現していることが、市場価値の高さにつながっています。
高級品より「長く使える道具」
モノの選び方にも一貫した思想があります。カメラは5台、レンズは10本以上所有していますが、選択基準はブランドの派手さではありません。ライカのオールドレンズなども含め、「資産性」「思想」「表現」を重視しています。
見せるための所有ではなく、長く使い込み、自分の表現に馴染ませていくための所有です。時間をかけて付き合える道具を選ぶ姿勢は、コードやプロダクトに向き合う態度とも重なります。
このように、上級エンジニアの生活は決して贅沢ではありません。ただし、お金の使い方は極めて戦略的です。浪費を避け、生産性と時間を最大化する。その積み重ねこそが、年収1,000万円クラスの「市場価値」を支えているのです。
仕事の中身はどう変わる?コードより増える思考と設計

年収1,000万円クラスの上級エンジニアになるにつれて、仕事の中身は大きく変わっていきます。その象徴として、実装作業そのものに割く時間が減っていくことが挙げられます。単純なコーディングや定型的な処理は、AIに任せられる領域が年々増えているからです。
そのため、人間が担う役割は「コードを書く」から、「意思決定をする」へとシフトしていきます。
具体的には、「何を作るべきか」「なぜそれを作るのか」「どの構造で作るのが最適か」といった判断が仕事の中心になります。要件をどう分解するか、将来の変更に耐えられる設計になっているか、チーム全体の生産性を下げない選択か──こうした設計・レビュー・方針決定に、多くの時間とエネルギーを使います。
こうした意思決定を行う上で必要になるのは、単なる技術知識ではありません。ビジネス背景を理解し、トレードオフを整理し、最適解を言語化する力です。コードはその結果として生まれるものであり、目的ではなく手段になります。だからこそ、上級エンジニアほど「きれいなコードを書けるか」よりも、「そもそもその実装が必要か」を問い続けています。
この段階にくると、プログラミングは単なる作業ではなく、思想や設計を表現する行為になります。どこを抽象化し、どこをあえて泥臭く残すのか。将来の誰が読んでも理解できるか。そうした判断一つひとつに、その人の価値観や経験が滲み出ます。
未経験や若手のうちは、「どれだけ書けるか」が評価軸になりがちです。しかし、市場価値が上がるにつれて評価されるのは、「どんな判断ができるか」「チームやプロダクトにどんな方向性を与えられるか」。へと変化していきます。コード量が減り、思考と設計が増える──それが、上級エンジニアの仕事の中身のリアルな変化といえるでしょう。
読書・インプットに見える思考の深さ

年収1,000万円クラスの上級エンジニアのインプット習慣を見ていくと、いわゆる「最新技術の解説書」だけに偏っていないことが分かります。もちろん技術書も読みますが、それ以上に手に取っているのは、思想や構造、意思決定を扱った本です。
彼らが重視しているのは、「どの言語を使うか」「どのフレームワークが流行っているか」ではありません。関心の中心は常に、「なぜそれを作るのか」「どう考え、どう選択するのか」。プロダクトの存在意義や、設計の背景にある価値観、組織や人間の振る舞いといった抽象度の高いテーマに多くの時間を割いています。
これは、技術の寿命が短くなっていることをよく理解しているからです。言語やフレームワークは数年で主役が変わりますが、思考の型や判断基準は簡単には陳腐化しません。むしろ、環境が変わるほど、その差は大きくなっていきます。
こうした読書・インプットの積み重ねによって、「何を作るべきか」を自分の言葉で説明できるようになります。だからこそ、技術選定や設計の場面で一目置かれ、結果として市場価値も高まり続けるのです。このように、 上級エンジニアの強さは、知識量ではなく、考え方の深さにあるといえるでしょう。
実はラクではない?年収1,000万円の裏側

年収1,000万円と聞くと、「到達すればあとは安泰」というイメージを持つ人も多いでしょう。しかし、当事者の実感はむしろ逆に近いものがあります。高い報酬は、成果を出し続けることが前提。一度評価を得たからといって、安心していられる期間はほとんどありません。
特に厳しいのが、ツールや技術の進化スピードです。AIをはじめとした開発環境は日々更新され、「昨日の最適解」がすぐに古くなる世界。学びを止めれば、その瞬間から市場価値は下がり始めます。高収入を維持するには、常にキャッチアップし、自分のやり方を更新し続ける必要があります。
また、意外と語られないのが孤独感です。同じレベルで相談できる相手が身近にいないケースも多く、意思決定を一人で抱え込む場面が増えます。設計や方針に正解がないからこそ、「この判断で本当に良かったのか」と自問し続けることになります。
さらに、高収入=安定とは限りません。プロジェクトの終了や市場の変化によって、立場が一変する可能性も常にあります。だからこそ、上級エンジニアほど「今の年収」に依存せず、次の選択肢を意識しています。
華やかに見える年収1,000万円の裏側には、継続的なプレッシャーと自己更新があります。楽な世界ではありませんが、その現実を理解した上で選び取っている──それが、上級エンジニアのリアルな姿といえるでしょう。
「上級」を目指す人に知ってほしいこと

年収1,000万円クラスの上級エンジニアの話を聞くと、環境や道具のレベルに圧倒され、「自分にはまだ早い」と感じる人も多いかもしれません。しかし、最初から同じ環境をそろえる必要はありません。高性能なPCや有料ツールは、あくまで成果を出すための手段であり、出発点ではないのです。
本当に重要なのは、「どう考えるか」と「どう積み上げるか」です。キャリアの初期段階では、まず実装経験を積み、自分の手で動くものを作ることが土台になります。その過程で、なぜこの実装が必要なのか、他の選択肢はなかったのか、と一段上の視点を持ち始める。これが設計視点への移行です。
さらに経験を重ねると、「正解を実装する人」から「選択肢の中から判断する人」へと役割が変わっていきます。要件、制約、将来性を踏まえて決断できる立場になることで、チームやプロダクトに与える影響も大きくなります。この変化こそが、市場価値を押し上げる本質です。
そのため、年収1,000万円を最初から目標に掲げる必要はありません。それはあくまで、考え方と積み上げ方を間違えなかった結果として、後からついてくるものです。「上級」を目指すということは、派手な肩書きを追うことではなく、判断できるエンジニアになる道を選ぶこと。その意識の積み重ねが、次のステージへとつながっていきます。
Unitas(ユニタス)を活用し「次のステージ」を目指そう

今回紹介した上級エンジニアも、最初から特別な環境や肩書きを持っていたわけではありません。多くの上級エンジニアに共通しているのは、学歴や経歴よりも、「どう考え、どう積み上げるか」を重視してきたことです。
実装経験を土台に視点を引き上げ、判断できる立場へと少しずつ役割を変えていく。その積み重ねの先に、結果として年収や市場価値がついてきています。
とはいえ、その道筋を一人で描くのは簡単ではありません。Unitas(ユニタス)では、未経験・微経験の段階から、あなたの現在地に合わせて思考の整理やキャリアの積み上げ方をサポートしています。
「今、何を優先すべきか」「どんな環境を選ぶべきか」。迷ったときこそ、プロと一緒に“次のステージ”を目指してみませんか。
なお、転職についてはLINEでも気軽に相談できます。
今すぐ動くべきか、もう少し積み上げてから挑戦すべきか。
判断に迷っている段階でも問題ありません。

