シフトの相談可、どこまで?求人で伝えたい時間と働き方の条件
「シフト相談可」と書いたのに、面接では働ける曜日が合わない。採用できても、想定していた時間数に入ってもらえない。そんなすれ違いが続くときは、応募者の意欲より先に、求人の説明を点検してみてください。店が必要としている時間と、本人が選べる範囲が、同じ一言に詰め込まれているかもしれません。大切なのは柔軟さを大きく見せることではなく、何を相談でき、何は事前の確認が必要なのかを具体的に伝えることです。
1.「相談可」を三つに分ける
まず、相談の対象を「勤務する曜日」「始業・終業時刻」「勤務日数・時間数」に分けます。曜日は選べても閉店作業までの勤務が必要な店もあれば、土曜日の出勤は必要でも開始時刻は調整できる店もあります。これらは応募者にとって違う条件です。
店長と採用担当者で、直近の営業に必要な配置を見ながら「欠かせない条件」「調整できる条件」「現時点では約束できない条件」を整理しましょう。人数不足だけを理由に全項目を必須にすると、実際には受け入れられる人まで応募をためらいます。反対に、すべてを相談可にすると、面接が条件の説明だけで終わりがちです。
- 欠かせない条件:例えば、今回の募集では土日のどちらかに勤務できること。
- 調整できる条件:例えば、平日の開始時刻は17時または18時から選べること。
- 約束できない条件:例えば、毎月同じ時間数に必ず入れるかは未確定であること。

2.一日の時間と、一か月の見通しをセットで書く
「週2日から」だけでは、1日に何時間働くのか、いつまで働くのかが分かりません。営業時間ではなく、仕込みや片付けを含む勤務時間帯を示します。閉店後の作業があるなら、閉店時刻を退勤時刻のように見せないことが重要です。
さらに、勤務日数や時間数が固定なのか、目安なのかを区別します。毎月一定の収入を得たい人にとっては、短時間で働けることと同じくらい、勤務量の見通しが大切です。「繁忙期は増える可能性がある」という説明だけでなく、増やせるかどうかを誰がいつ相談するかまで決めておくと、面接で話しやすくなります。
次は、該当する運用がある店で使える勤務時間欄の例です。これだけで求人の法定明示事項がそろうわけではありません。
記載例:勤務時間は17時〜22時のうち1日4〜5時間、週2〜3日を目安に相談。土日のいずれかに勤務できる方を募集します。平日の18時開始も相談できます。閉店作業を含め22時までの勤務を予定しています。具体的な曜日と日数は面接で確認し、契約時に定めます。

図:Unitas Pass編集部作成。本文の実務提案を整理したものです。
3.希望の提出から確定後の変更まで決める
応募者が知りたいのは「希望を出せるか」だけではありません。いつ翌月の予定が分かるのか、確定後に事情が変わったときに誰へ連絡するのかも、働き続けるうえで重要です。求人には概要を、面接では実際の手順を伝えましょう。
厚生労働省のシフト制に関する留意事項では、希望の確認、シフトの通知、変更手続などをあらかじめ話し合う考え方が示されています。確定した労働日や時間の変更は、基本的に労働条件の変更に当たり、双方の合意が必要とされています。「相談可」を、店側がいつでも変更できるという意味で使わないようにしましょう。
- 希望提出:何日までに、どの方法で提出するか。
- 確定通知:何日までに、どこで確認できるか。
- 変更相談:連絡先、申出の方法、調整と返答の担当者。
- 急な事情:当日の体調不良など、通常の提出期限に間に合わない場合の連絡方法。
4.求人の説明と、契約時の明示をつなげる
求人の勤務時間欄を詳しく書いても、それだけで労働契約締結時の明示を済ませたことにはなりません。募集段階で示す条件、面接で確認する希望、契約時に明示・合意する条件をつなげ、食い違いがないか確認します。シフトの運用ルールと、個別の労働条件は分けて整理してください。
募集時の労働条件明示に関する厚生労働省の案内では、業務・就業場所の変更範囲なども明示対象です。時間だけを直して安心せず、求人全体と労働条件通知書を確認しましょう。契約の扱いに迷う点は、社会保険労務士などに相談するのが確実です。
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5.面接では「働ける範囲」を一緒に確認する
面接では「何でも大丈夫ですか」と一括で聞かず、通常の曜日・時間帯、調整が必要な場面、勤務量の希望を順に確認します。家庭事情など、仕事に関係のない背景まで説明させる必要はありません。「何曜日の何時まで働けるか」という業務に必要な情報に絞ると、本人も答えやすくなります。
採用担当者はその場で返答できない条件を持ち帰り、確認先と返答時期を伝えます。応募者の希望を聞いた記録と、実際に合意した条件を混同しないことも大切です。最後に本人と同じ内容を見て確認し、説明した人によって約束が変わらない状態をつくりましょう。
見直しの第一歩は、今の求人にある「シフト相談可」の横へ、相談できることを一つ具体的に書くことです。募集条件と受け入れ方をまとめて見直したい方は、無料の初回採用課題診断|オンライン60分をご利用ください。
よくある質問
応募を増やすため、条件は面接まで伏せてもよいですか?
必要な条件を隠して応募を集める運用は避けましょう。募集時にも労働条件の明示が必要です。勤務できるかの判断に直結する条件は、応募前に分かる形で伝えることが大切です。
希望シフトはすべて受け入れなければなりませんか?
希望を聞くことと、そのすべてを確約することは別です。調整方法や通知時期を事前に説明し、契約内容と合意したルールに沿って運用します。確定後の変更を一方的に進めないよう注意してください。
参考資料
確認日:2026年10月25日(日本時間)。制度や個別の適用条件は、最新の公的資料でご確認ください。
- 厚生労働省|いわゆる「シフト制」について
シフト作成・変更ルールと合意に関する根拠。2026年6月改正案内を確認。 - 厚生労働省|募集時等に明示すべき事項
募集時の明示事項。 - 厚生労働省|労働条件明示のルール
契約締結時等の条件明示。
掲載写真はイメージです。Unitasの取引先・従業員や、本文で取り上げたサービスの導入店舗を示すものではありません。
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