未経験エンジニアの求人は怪しい?ブラック求人の見分け方や優良求人の特徴を解説

異業種・異職種への転職を目指す人にとって、未経験であっても応募ができる求人案件は魅力的に感じるでしょう。ただし、こうした求人案件の中には、記載内容と業務実態がかけ離れているものもあります。仮に採用されたとしても自身の希望と業務内容に乖離があると、その後のキャリアプランがうまく立てられなくなってしまうリスクがあります。 今回は、未経験からエンジニアへの転職を目指す人たちに向けて、怪しい求人と優良求人の見分け方や、応募時の注意点などを解説していきます。 未経験OKのエンジニア求人は「怪しい」「やめとけ」といわれるのはどうして? SNS上などで「未経験OKのエンジニア求人は怪しい」など指摘する意見があります。その中には、応募は避けた方よいとする声もあります。なぜ未経験からのエンジニア転職に対しては、このような意見がでるのでしょうか? 以下では、その理由を解説していきます。 未経験OKのエンジニア求人は人手不足の可能性が高いから プロジェクトを開始する前には、十分な人員と余裕のあるスケジュールを確保することが理想と言えます。しかし、実際にはプロジェクトに投入できる予算など様々な成約があるため、納期や人員が十分でないケースもあります。 スケジュールに余裕があれば、人材確保に時間をかけることができるため、プロジェクトに適した業務経験のある人材を採用することもできるでしょう。そうして、採用された経験者をアサインすることでプロジェクトも成功し、会社の事業としても利益がでるというのが理想的なサイクルだと考えられます。 しかし、「とにかく人が欲しい」というような状況にあるプロジェクトや会社では、採用に時間をかけることができません。また、そうした求人に応募したいと考える経験豊富なエンジニアは多くないでしょう。 こうした事情を考えると、「未経験OK」や「未経験大歓迎」をアピールしている求人は、人手不足であることが多く、結果としていわゆる「ブラック」な労働環境である可能性も高くなります。こうした職場では、人材が定着しにくいため、さらなる人員不足におちいるという負のサイクルが生まれてしまう場合もあります。 未経験OKのエンジニア求人はSES企業の場合が多いから SESとは、「System Engineering Servise」の略で、IT業界における契約形態の一つです。IT業界に特化した準委任契約で、エンジニアの作業がSESの対象となります。 SES企業に所属するエンジニアは、派遣されたクライアント企業のシステム開発などに従事し、場合によっては常駐して作業を行う場合もあります。クライアントの意向が強く働くため、SES企業では自分の希望に合った業務を行うことは困難だと考えられます。 また、大規模なシステム開発の場合、一次受けから二次受け、三次受けといったように下請け構造が積み重なることがあります。 このような場合、現場で働くエンジニアの給料も少なくなる傾向があるため、経験豊富なエンジニアからは忌避される傾向があります。 【こんな会社はやめとけ!】ブラックな未経験エンジニア求人の見分け方 社会人の誰もが「出来ればブラックな環境での業務は避けたい」と考えているでしょう。しかし、求人サイトに掲載されている情報だけでは、その会社の実態を完全に把握することは困難です。 ここからは「ブラックな未経験エンジニア求人」の見分け方を解説していきます。 ブラックの可能性大の未経験エンジニア求人①常に求人を出している エンジニアに限らず、長期間にわたって常に求人をかけている企業には、注意が必要です。 一般的に、企業が人材を採用する背景には、新規事業への進出、事業成長に伴う人員投下、欠員補充などの理由があります。つまり、こうした理由がなければ新たに人材を採用する必要はありません。 長期間にわたって、似たような職種、ポジションの人材の募集を続けているということは、「求人広告を出しても人が集まらない」「採用した人間が定着せずにすぐにやめてしまう」といった事態が起きている可能性があります。 知名度が高く、規模の大きい会社であったとしても、人材募集の状況が続いているようであれば、求人募集をしている事業部、部署が何らかの問題を抱えている可能性があります。 ブラックの可能性大の未経験エンジニア求人②社内定着率が低い 定着率とは、入社した従業員が一定期間後に、どれだけ自社で働き続けているかを示す指標です。人事関連の部署が自社の組織の健全性を測る場合などに使用します。 社内定着率が低い企業は、長時間労働が多いなど社内に何らかの問題がある場合が多くなっています。そのため、求人に応募する前にその会社の定着率を確認することで、入社後の働きやすさの参考にすることができるでしょう。 なお、日本の企業全体における2022年の定着率は*85.0%(離職率15%)と言われています。 *参照元:https://jp.lhh.com/client/useful/column/teichakuritsu#anchorlink0 ブラックの可能性大の未経験エンジニア求人③平均年齢が極端に低い 定着率の低さは、社員の平均年齢に表れることもあります。常に大量の新卒採用を行い、数年の間に多くが離職するような企業では、結果的に平均年齢も低くなります。在学中に起業した学生ベンチャー企業などの例外をのぞけば、平均年齢が極端に低い企業は「長期間働き続けることが困難な企業である」と考えることができます。 ITなど比較的歴史の浅い産業においては、社員の平均年齢が20代という会社もありますが、そうした場合は、結婚、出産などのライフステージの変化に会社組織、社内制度が適応できているかなどは確認した方がよいでしょう。 ブラックの可能性大の未経験エンジニア求人④みなし残業制を採用 「みなし残業制」とは、実際の業務時間とは無関係に、給与にあらかじめ一定の残業分を組み込んでおく制度です。 企業にとっては残業代の細かい計算が必要なくなり、社員にとっては残業が少なかった月も一定以上の残業があったものとして給与を受け取ることができるというメリットがあります。 しかし、こうした制度を悪用して、一定時間を超えた残業代を支払わない企業もあります。企業側が「残業代は給与に含まれている」と主張し、実態として「残業させ放題」という状況になっているケースもあるとされています。 給与形態に「みなし残業有」などと書かれている求人については、注意した方がよいでしょう。 ブラックの可能性大の未経験エンジニア求人⑤客先常駐やIT派遣がメイン 前述したように「客先常駐」「IT派遣」という形になりやすいSES企業に就職した場合、その構造から激務・薄給になりやすい傾向があります。特に求人票に「顧客先常駐」「社外プログラマー」などの記載がある場合には、取引先で業務を行う可能性が高いと思った方がよいでしょう。 こうした場合、待遇や業務時間の長さについては、派遣先次第によって変化するため、不確定要素も大きくなります。特に以下のような場合には注意が必要です。 未経験エンジニア向け優良求人の特徴 これまで解説してきたように、「未経験可」のエンジニア求人の中には、一般的におすすめできないものもあります。そうした中で、「優良な求人」を見分けるための特徴を解説していきます。 優良求人の特徴①研修の期間や内容が記載されている 「未経験可」であったとしても、入社後の研修内容などが明確な場合は、優良な求人である可能性が高くなります。 いきなり進行中のプロジェクトにアサインされるとミスマッチが起こる可能性も高い上に、そもそも人手が足りていない状況にあると考えられます。しかし、研修期間などがある場合、それだけプロジェクトの進行に余裕があることに加えて、会社としても「人材をしっかりと育成しよう」とする意図や文化のある組織だと判断できます。 応募する側としても、未経験からであっても研修中にしっかりとスキルを身に着けられるという安心感があるでしょう。 優良求人の特徴②プライム案件や自社開発案件が多い 「プライム案件」とは、クライアントから直接受注した大規模なITプロジェクトを意味します。プライム案件では、クライアントと直に契約を交わし、システム開発などを担当します。「元請け」であるため、「2次請け」「3次請け」といった下流の工程よりも単価が高く、業務の裁量も大きい傾向があります。 こうしたプライム案件を数多く受注していたり、自社開発の実績が豊富な企業は、取引先からの信頼度も高く、社員のスキルも一定以上のレベルにあります。こうした企業は、社員教育や研修制度の充実にも注力していることが多いため、IT未経験でも安心して応募できるでしょう。 逆にプライム案件や自社開発実績が少ない企業に応募する際には、入社後の研修体制や待遇について十分に確認した方がよいでしょう。 優良求人の特徴③大卒以上を指定 「大卒以上」に限らず、「学歴不問」など応募要件が厳しくないということは、「どんな人材でもよいので、とにかく人が必要」といった状況にある可能性があります。 「学歴不問」「ブランク不問」「未経験者可」などの文言がある場合には、注意した方がよいでしょう。 優良求人の特徴④優良企業認定を受けている … Continue reading 未経験エンジニアの求人は怪しい?ブラック求人の見分け方や優良求人の特徴を解説